虚構のアイランド・2

記事一覧

  • その906

    20240905(木)06:47
    [5秒前]のファンのコミュニティで、[サウス・エリア]を管轄する基地[サウザンズ]の襲撃を計画する輩がいた。
    だが[5秒前]関係者に計画がバレて、残りのメンバーによる勇気づけも込めた勧告コメントの発表により、物騒な企ては沈静化した。

    アイランド23

  • その905

    20240905(木)06:41
    反対に、輝を喪失させた『犯人』である、[サウザンズ]で【ペンタグラム】のパイロット部隊の紅一点だった燃華に対する評価は、最悪であった。
    ファンであった経歴もニュースで広まり、住民達は画面や写真に映るポニーテールの女性を軽蔑し始めた。

    アイランド23

  • その904

    20240904(水)05:58
    脱退前まで養成所からずっと切磋琢磨し続けてきた[5秒前]のメンバー達を筆頭に、数多くの関係者やファン達が、哀れんでいた。
    メンバー達は後悔の念を抱いて、式典の肖像写真の前で、泣きながら謝罪の言葉を繰り返していた。
    [ノータブル]の総指揮官である扇浜も、残念そうな表情をしていた。
    …涙は一滴も流さなかったが。

    アイランド23

  • その903

    20240904(水)05:41
    ★★★

    元[5秒前]のメンバーで、[ノース・エリア]を管轄する基地[ノータブル]に所属していた隊員・一ノ宮輝。
    彼の喪失は、瞬く間にニュースとなった。
    [スロープ・アイランド]の住民達からは、悲しむ声が相次いだ。

    アイランド23

  • その902

    20240903(火)08:20
    「十分、強くなっているよ。お前は。」
    ボーデンが言った。

    ネロ自身、色んな心情が混ざり合ったおかげで、彼は再び泣き出した。
    ベッドの掛け布は、彼の涙で一部が湿った。

    アイランド22

  • その901

    20240903(火)08:17
    堂山の手が、ネロの肩に置かれていた。
    ネロは顔をあげて、自身の胸の内を語った。

    「…俺、誰も助けてくれないかと思っていた。また軍らのたらい回しかと、思ってた。
    でも、[サウザンズ]の基地の人達が優しくて…辛い過去を忘れようと、強くなろうとしたのに…。」

    アイランド22

  • その900

    20240903(火)04:26
    近くにいた堂山は、パイロット部隊の最年少の小声を、聞き逃さなかった。
    彼は気落ちする子供を、元気づけようとした

    「大丈夫だ。引き取った時点で、私はお前の味方だ。
    強引に奪われる真似をされる恐れがあれば、お前を守るように動こう。」

    アイランド22

  • その899

    20240903(火)04:22
    ここで再び、ネロは口を閉じて、俯いた。
    彼は証明が通る可能性が低そうだと思い込んで。

    「俺の、場合。難しいんだよな…。」
    いつもの元気はつらつな彼には程遠い、小さな声だった。

    アイランド22

  • その898

    20240902(月)06:05
    「燃華とネロの、無実を証明したい。
    ネロは《ユナイテッド》の能力で一ノ宮輝と共感し、燃華は《ユナイテッド》の事実を知らない上で、ネロに加担している。
    少なくとも、燃華はこの事件では、とばっちりをくらった方だ。」

    アイランド22

  • その897

    20240902(月)04:47
    今朋美が聞いた内容は、ラウトやアージン、ネロまでもが知りたがっていた。
    気持ちが沈んでいたネロも、様子を伺うように顔を上げている。

    当の総指揮官は、躊躇せずに彼女の質問に答えた。

    アイランド22