虚構のアイランド・2

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  • その926

    20240915(日)04:30
    おかしい…と感じて、ようやく両目を開いた。

    そこは、人々が逃げまとうせいで閑散となってしまった、市街地の姿であった。
    ビル群の建物の他に、捨てられた車や自転車があった。
    ほとんど、人が減っていた。

    アイランド23

  • その925

    20240915(日)04:26
    自身の身体が怪物の牙に刺される…!
    その感触が伝わってくる事は、なかった。

    ずっと、目を閉じていた。
    しかし、頑なに閉じていても、自分の身体に何の変化もなかった。
    強い風で、肌寒く感じるだけ。

    アイランド23

  • その924

    20240914(土)06:21
    立ち上がれない者は、自分の人生の最期を覚悟した。
    もっと長生きしたかったと、残念に思いながら。

    怪物の鋭い牙と真っ暗な口の中を凝視したくなくて、あえて両目を閉じていた。

    アイランド23

  • その923

    20240914(土)06:17
    道中でつまづいて、転んでしまう者もいる。
    再び立ち上がって走り出すまでには、時間を要する。
    特に、怪物が接近してきている緊迫した状況では…わずかな時間でも命取りになりかねない。

    アイランド23

  • その922

    20240913(金)08:11
    とにかく、怪物から逃れたい気持ちが強かった。
    彼らに、彼女達に、怪物に抗う術を持っていないから。

    足の速さには、個人差が出てしまう。
    走るのが遅い人間も、一定数存在する。

    アイランド23

  • その921

    20240913(金)07:22
    乾いたコンクリートの上では起きにくいスリップも多発し、他車以外にも近くの建物にまで、衝突の被害が及ぶ。
    ビルの壁や窓ガラスは見事に粉砕されて、中には全体が少し傾いてしまったビルも現れた。

    事故による災害など、住民達は考慮しなかった。

    アイランド23

  • その920

    20240912(木)06:47
    怪物から逃れたい気持ちが強い者から、己の愛車を道端に捨てて、一緒に走る。

    運転が止まると…。
    倒れた自転車のせいで逃亡者の一部が転倒する。
    停止した車の後ろに、別の車が衝突し、爆発を起こす。

    アイランド23

  • その919

    20240912(木)06:43
    住民達はひたすら走り続けた。
    歩行者達はそのまま逃げられるだろう。
    車や自転車に乗る者達は、そんなわけにはいかない。
    交通ルールに強く縛られているので、気ままに方向転換はできない。

    アイランド23

  • その918

    20240911(水)06:25
    怪物はブンブンと、双方の翼をはためかせている。
    移動後の行動は、それだけだった。

    なのに、表通りを歩く住民達は恐れおののき、遠ざかりたい一心で走り出した。

    アイランド23

  • その917

    20240911(水)06:21
    慌てて猛スピードで走り出す女性に、周りの歩行者は何事だろうと振り向いた。

    周辺の住民達も、彼女が怯える恐怖を知る羽目になる。
    ビルの角の突き当たり上部で飛行する怪物が、サッと表通り上空に移動した。

    アイランド23