虚構のアイランド・2

記事一覧

  • その938

    20240921(土)06:34
    [スロープ・アイランド]の住民達もご覧になれるニュース映像を、堂山はシステムルームの隊員達に調べさせていた。
    総指揮官には他の業務も携わる必要があるので、報告を聞いて考察する側に専念した。

    報告は毎日、5回は行われていた。

    アイランド24

  • その937

    20240921(土)06:29
    医務室での、【ペンタグラム】のパイロット部隊や他の傍聴者達と交わした約束があった。

    『燃華とネロの無実を証明する事。』

    事実の証明には、根拠が必要になる。

    アイランド24

  • その936

    20240920(金)08:09
    正規軍独自の精査技術を誇る施設である、システムルーム。
    そこに在籍する担当者と堂山が話し合っていた。

    目的は、[ノース・エリア]を管轄する基地[ノータブル]で起きた直近の事件についての、調査だった。

    アイランド24

  • その935

    20240920(金)07:23
    ★★★
    [サウザンズ]の総指揮官・田辺堂山は仮眠などの休息以外は、司令室に在中していた。
    1人のオペレーターの席の後ろで、PCサイズのモニターを見つめていた。

    この時点で、堂山は基地内の他の施設の者と連絡を取り合っている。

    アイランド24

  • その934

    20240919(木)06:56
    「何だよ、《虚像獣》って。大した事ないじゃん。」
    「軍が大層に吠えていただけかよ…。」
    そう呟いて、呆れる者が増えた。

    住民達は《虚像獣》と関係がある団体に対して、信用するのをやめた。
    一時でも自分達の生活を掻き乱された分の、恨みや辛みが募っていった。

    アイランド23

  • その933

    20240919(木)06:49
    住民達の共通の認識が、すり替わっていく。
    現在地上にて動き回っている怪物も、《虚像獣》であるとわかった。

    彼らは《虚像獣》に対して、過度に怯えなくなった。
    むしろ、来ても平気だと思った。

    アイランド23

  • その932

    20240918(水)06:35
    声を聞いて振り向く者もいれば、聞かずにそのまま遠くへ逃げる者もいる。
    しかし、最初は少数でも、大声で振り向く者は段々増えていった。
    振り向く者が実際に体験して、『現在出没している怪物達は、人間に危害を加えない』事が判明した。

    アイランド23

  • その931

    20240918(水)06:27
    彼らは、彼女らは、恐怖で逃げ回る人々に、大声で呼びかけた。

    「今出ている怪物達は、人を襲えない!」
    「逃げなくても、怖がらなくても大丈夫!」
    だと。

    アイランド23

  • その930

    20240917(火)07:05
    あの怪物が自分達人間に危害の加えない『虚像』だとわかれば、必死こいて逃げる必要はない。

    転んだ者は、コンクリートの地面の上に座り込んだままだ。
    まだ、怪物が恐怖の対象だと思い込んで、逃げ回る者達がたくさんいた。

    アイランド23

  • その929

    20240917(火)07:02
    すなわち、『自分はまだ生きている』と実感した。

    したがって…あの怪物に襲われそうになったとしても、無問題なのである。
    転んで膝を打った以外のケガは、ないのだ。

    アイランド23