虚構のアイランド・2

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  • その869

    20240819(月)06:37
    「双子…?」
    「『名家』に連れてこられる以前の姓名は不明だ。
    だから、ネロの本名は、『センズ・サウスフィールド』とする。
    彼はこの名前を嫌っているが、説明時に利用する事には了承してもらっている。」

    アイランド22

  • その868

    20240818(日)03:28
    シークレットな部分は、まだ一部しか明かしていない。
    堂山はまだまだ、ネロと『名家』の関係について説明していった。

    「ネロは[サウスフィールド家]に連れてこられた、双子の弟だ。」

    アイランド22

  • その867

    20240818(日)03:25
    堂山は『名家』について、淡々と述べていた。
    彼とボーデン、医務室の医者とネロ以外は驚きの連続だった。
    彼らはあまり、内情を教えてもらっていないからである。

    アイランド22

  • その866

    20240817(土)03:37
    「強烈な精神科学の、実験場であるからな。
    双子の子供を引き取り、『感応・共有』の意識を高める施術を行っていたのだ。」
    「ただ単に、上層部の名家じゃ、なかったんすか?」
    「実験の現場は、公表しなかったからな。」

    アイランド22

  • その865

    20240817(土)03:33
    「なぜ、こんなにもネロが震えているのです?」
    「『見学』で訪れた場所って、そんなに酷いんすか…?」
    アージンの質問の後、ラウトが憶測で言った。
    ラウトの憶測には、堂山が頷いた。

    アイランド22

  • その864

    20240816(金)03:31
    「正規軍に携わる者は皆、名家を訪れた経験があるんだ。『見学』という名目で。
    南だけでなく、北の名家も見てきている記憶がある筈だ。」
    「北は、[ノースフィールド]ですね?」
    「その通り。」
    朋美の回答は、正解だった。

    アイランド22

  • その863

    20240816(金)03:27
    「[サウスフィールド家]は、確か…。」
    「俺達、正規軍の関係で見学に行ったなぁ。」
    「私もです。」
    アージン、ラウト、朋美が『名家』の思い当たる節を言い出した。

    ボーデンは軽く頷いてから、彼らに告げた。

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  • その862

    20240815(木)06:43
    「名家じゃねぇよ!あそこは、あそこは…酷いとこなんだよ!」
    ネロは声を荒げると、自分の両手でベッドを叩いた。
    彼の心情に、悔しさが込み上げていた。

    ネロの反応に、状況をあまり知らない者は首を傾げていた。

    アイランド22

  • その861

    20240815(木)06:31
    自分の正体が、総指揮官の口から告げられたからである。

    「…何で。」
    「業務は任せていたが、君の事は、名家から引き取った時に知っていた。
    何年、この基地に就いていると思っている?」

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  • その860

    20240814(水)03:34
    今、彼の『やるべき事』が実行された。

    「ネロの出自は、[サウスフィールド家]だ。
    いや、実際は名家に引き取られたと言っても過言ではないか。」
    「!」
    ネロが堂山を見上げた。

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