虚構のアイランド・2

記事一覧

  • その879

    20240824(土)03:09
    朋美は経緯を、正直に答えた。
    「チケットが2枚、ありまして。
    本来なら別の女性の所属隊員でも誘いたかったんですけど、断られまして…。
    最終的に燃華を誘ったんです。」
    「その時の燃華はどうだったんだ?」

    アイランド22

  • その878

    20240823(金)03:20
    「花岡さん。燃華の親友だったそうですが…。」
    アージンに尋ねられた本人は、俯きながら答えた。
    「…申し訳ございません。[5秒前]のコンサートに誘ったのは、私です。」

    アイランド22

  • その877

    20240823(金)03:17
    「あ…!」
    朋美の、驚きの声だった。
    彼女はネロの隣で、手で口を押さえていた。

    女性の声は高めなので、吐息でも聞き逃さなかった者がいた。
    アージンが、朋美に聞いた。

    アイランド22

  • その876

    20240822(木)04:30
    [5秒前]のファンであった朋美は、シュンと落ち込んだ。

    「ボーデンさん。」
    「どうしたラウト。」
    「燃華なんだけどよ、アイツ、最近そのグループに熱が入ってなかったっすか?」

    アイランド22

  • その875

    20240822(木)04:25
    「一ノ宮、輝…って!」
    「[ノータブル]に在籍している軍人、ですか?」
    「それ以前に、男性アイドルグループ[5秒前]のメンバーでした。
    今は、脱退しましたけど…。」

    アイランド22

  • その874

    20240821(水)06:47
    そして、堂山はとても重大な真実を、今、この場で話した。

    「もちろん、双子の弟であるネロだから、兄はいる。
    兄の名前は、[レイズ・サウスフィールド]。
    正体は…一ノ宮輝。」

    アイランド22

  • その873

    20240821(水)06:42
    ラウトは自分の頭で理解できているのか、疑問だった。

    説明している側の堂山は、
    「細かい部分までは把握しなくても構わない。
    重要な点だけ、押さえてくれ。」
    と他の者に伝えた。

    アイランド22

  • その872

    20240820(火)03:23
    「ネロは、超能力者だって言うのか…?」
    「そう見えるだろうが、エンタメ系で見るようなあからさまな能力ではないな。
    取り立ててコミュニケーションを、交わさずとも、彼らの心理や感情で読み取ってしまうのだから。」
    「すげー、難しいっすね…。」

    アイランド22

  • その871

    20240820(火)03:19
    また、新しい用語が出てきた。
    ラウトやアージンは、聞かずにはいられなかった。

    「[ユナイテッド]?」
    「双子間における、共鳴・感応の能力だ。何も喋らなくとも意思疎通ができてしまう、そんな類の、だ。」

    アイランド22

  • その870

    20240819(月)06:42
    堂山に求められたネロは、何も言わなかった。
    もの凄く暗い表情は変わらずに。

    「[サウスフィールド家]と[ノースフィールド家]は、双子として生を受けた子供達で、実験をしていた。
    実験の成果が、[ユナイテッド]の誕生だ。」

    アイランド22