虚構のアイランド・2

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  • その966

    20241005(土)06:43
    [サウザンズ]総指揮官である田辺堂山は、モニター画面の男・イーマス代表をご存知だった。
    イーマス代表は、[サウザンズ]や[ノータブル]の設立に最も携わった、正規軍の上層部の人間である。
    元々軍人だったが高齢となり、現在はアドバイスを出す程度の後ろ盾の身である。

    アイランド24

  • その965

    20241005(土)06:35
    勝手に回線をこじ開けられたとして、強張った表情でモニターに目を向けた。

    「イーマス、代表…!?」
    妨害されたとして身構えていた堂山は、通信相手の顔を見て、言葉を失った。

    アイランド24

  • その964

    20241004(金)06:56
    取るべき対応は、すでに1つだった。
    「【ペンタグラム】を出撃させてくれ!大量発生している状況ならば、倒していくのが先だ!
    救助隊も同時派遣しろ!」
    『田辺少将。』

    堂山が命令を下す時、外部からの通信が入った。

    アイランド24

  • その963

    20241004(金)06:51
    「映像を観る限りは、間違いなく…。」
    朋美の回答に、堂山は愕然としてしまった。

    落ち込む暇はない。
    総指揮官は額を当てていた右手を下ろして、顔を上げた。

    アイランド24

  • その962

    20241003(木)09:15
    質疑の前に、朋美がモニター画面上のデータ通りの情報を明かした。

    「地上の、市街地や郊外問わず…あらゆる地点で出没しております!
    南北の判別も、できません!」
    「[アイランド]中を、荒らし放題だっていうの!?」

    アイランド24

  • その961

    20241003(木)09:11
    「どうした?虚像獣絡みの件はこと細やかに説明しろと…。」
    「複数出没しているんです…!」
    「何?」
    的確な報告を求めた堂山だが、内容を聞いて疑問を抱いた。

    アイランド24

  • その960

    20241002(水)07:24
    「位置は特定できますか!?」
    「特定はできておりますが…。」

    朋美が言葉を濁した。
    『虚像獣の出没』という一大事の時だというのに。

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  • その959

    20241002(水)06:59
    「虚像獣か!」
    長年の経験で、堂山は警報の意図が読めていた。

    そうです!と司令室で監視業務に務めていた朋美が肯定した。

    アイランド24

  • その958

    20241001(火)08:15
    緊急事態への対処も、立派なお仕事だ。

    警報が鳴った。
    全員の耳に届くよう、けたたましく。

    音の発生源に、堂山達は注視した。

    アイランド24

  • その957

    20241001(火)08:13
    総指揮官の褒め言葉に、システムルームの隊員は『ありがとうございます!』と喜んでお礼を言った。

    この日のシステムルームの隊員達とのやり取りは、終了の予定だった。
    [サウザンズ]の基地に所属している人間の業務は、多岐にわたる。

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