虚構のアイランド・2

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  • その1064 NEW

    20241121(木)08:16
    総指揮官の堂山や、ある程度の権限は与えられているボーデンが何かしら切り開いていかないといけない。
    中年男性の2人は責任を感じてはいるが、どんよりした現状を打開できなかった。

    思わぬ人物が、光を与えた。

    アイランド26

  • その1063 NEW

    20241121(木)08:12
    ラウトの怒声の後、[サウザンズ]の司令室内は静かになった。
    その場にいた全員が、タイル張りの床に目を落とした。

    誰しもが、沈んだ気持ちになっていた。

    アイランド26

  • その1062

    20241120(水)06:54
    遮ったのは、パイロット部隊のリーダー格であるボーデンだった。
    「よせ。まだ犯人が誰かは決まっていない。
    勝手な決めつけはやめろ。」
    「想像できるとしたらあのおっさんしかないっすよ!総指揮官に大して言いたくないっすけど!」

    アイランド26

  • その1061

    20241120(水)06:51
    「扇浜が絡んでいるんじゃないんすか!?」
    3度目。ラウトが怒鳴った。
    パイロット業務を専業にしている彼でも、時事的な情報はある程度聞いている。
    今回の虚像獣出没の首謀者を推測した。

    アイランド26

  • その1060

    20241119(火)07:31
    堂山の付け加えた発言に、アージンがある可能性を示唆した。
    「では…どちらかの基地の隊員が地上への流出を誘導させたと…。」
    「それが一番あり得る原因だな。規則により、一隊員の独断での流出は禁じられている。」

    アイランド26

  • その1059

    20241119(火)07:26
    「事情をきめ細かく説明しなければ、何も知らない住民達は納得しないだろうな。」
    「虚像獣の地上降下は、無作為に起こらない。虚像獣自らが暴走して、下降するとは考えられない。
    『凝結剤』が溶けてしまうのだからな。」

    アイランド26

  • その1058

    20241118(月)07:51
    暗い空気の圧は、強かった。
    全員が苦渋の、もしくは憂鬱な表情で沈黙を保っていた。

    どんよりと深く沈み込んだ重い空気は、長続きすると辛く感じてくる。
    少し間を置いて、ボーデンが口を開いた。

    アイランド26

  • その1057

    20241118(月)07:47
    「だけど!これからはどうするんすか!?
    虚像獣が怖くないと思ったら、逃げないんすよね?
    俺達は、俺達はどうやって戦えばいいんすか!?」
    ラウトがまた叫んだ。
    これにはアージンの制止はなかった。

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  • その1056

    20241117(日)06:42
    「全員が目を瞑っています。
    虚像獣の出現は常に雲海上と固定されていましたから、住民達は辛抱しているんです。」
    「その通りだ。晴れ間の出ない空の下、住民達は耐えて暮らしている。
    我慢を続ける彼らには、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。」
    アージンの発言に堂山は肯定ばかりしていた。

    アイランド26

  • その1055

    20241117(日)06:35
    堂山は痛い所を突かれても、怯えなかった。
    「その通りだ。仮に虚像獣が『実物』であれば、[スロープ・アイランド]全域の被害はより拡大されただろう。
    行政で賄える保障だけでは、済まされなくなる。」

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