虚構のアイランド


ほぼ毎日2本ずつ更新します。
下からお読みください。


後日まとめて掲載します。

無断転載はおやめください。

記事一覧

  • その738

    20240618(火)05:11
    「…本気で信用しちゃうんだね?」
    「僕達、設立時からここにいるのに。」

    クスクス笑った後の、誰かを馬鹿にした発言。
    口に手を当てて2人でコソコソしているように見せているけど、声はこちらに届いている。

    アイランド19

  • その737

    20240618(火)05:07
    子供、といっても極端に小さくなかった。
    隊員の肩の高さぐらいまでの背丈。
    男の子だったら、声変わりが始まっているだろう…と想像がつくだろうに。

    2人の子供の声は、ソプラノ程度の高さだった。

    アイランド19

  • その736

    20240617(月)07:07
    軍の基地には大人しかいないと思い込んでいたら、笑い声の主は謎に包まれただろう。

    私は今、[ノータブル]には子供の兵士がいるであろうと気がついた。
    扇浜の近くにいた2人の子供に、目が行ったから。

    アイランド19

  • その735

    20240617(月)07:04
    扇浜はもちろん、周りの[ノータブル]の隊員達のほとんどが男性だ。
    若い人でも、成人している者が多数である。

    女の子のような可愛らしい笑い声が、私達の耳に入ってくるはずがない。

    アイランド19

  • その734

    20240616(日)05:52
    ダイナミックに飛び上がって、隊員の頭を踏み台にして渡れるのか…。
    咄嗟に思いつく脱出方法と言えば、それぐらいしかない。

    緊迫した状況で固まっていると、クスクスと笑い声が聞こえた。

    アイランド19

  • その733

    20240616(日)05:47
    後ろも、囲われた。
    集団をかき分ける必要があるため、走って突破するのは困難になった。

    私の隣には、輝がいる。
    彼の身体能力を、私は全然把握できていない。

    アイランド19

  • その732

    20240615(土)05:41
    言い方がとても嫌味たっぷりであった。
    ニヤニヤしながら、私達を見ている。
    だけど、目は細めてはいるけど…笑っていない。

    集団で八方塞がりにして、銃口を向ける。
    私達を逃す気は、ないようだ。

    アイランド19

  • その731

    20240615(土)05:36
    扇浜本人が、銃口をこちらに突きつけてきていた。

    「朝からネズミがコソコソ嗅ぎ回っているなぁと思えば、何だぁ?
    サウス・エリアの《メス》が、紛れ込んでいたとはなぁ。」

    アイランド19

  • その730

    20240614(金)06:08
    ザッ、ザッ、とゴムの靴底とコンクリートの地面が擦り合う音が。
    それが終わる時、足音を立てた者は集団の最前列に現れた。

    扇浜筋道。
    [ノータブル]の総指揮官だ。

    アイランド19

  • その729

    20240614(金)06:04
    発砲した者を探し当てるのは、容易だった。
    引火に伴う小さな煙が、うっすらと見えた。
    格納庫内部の天井と壁面が暗めの色で統一されているから、白い煙が映える。

    足音も、大きくなった。

    アイランド19