虚構のアイランド


ほぼ毎日2本ずつ更新します。
下からお読みください。


後日まとめて掲載します。

無断転載はおやめください。

記事一覧

  • その68

    20230716(日)12:57
    [大展示場]の外を見守る輝に寂しさを感じた樹が、ペットボトルの新のお茶を上にあげて言った。

    「輝?お茶飲んだ?」
    「お茶残ってるから大丈夫さ。」
    輝はスッと手にしているお茶を見せた。

    アイランド2

  • その67

    20230716(日)12:53
    [サウス・エリア]出身の還がメンバー達に謝罪したが、彼を責める者はいなかった。

    「虚像獣の出現は偶発的だよ。これについては、僕達がどうこうできる問題じゃない。」
    この発言が、カーテンの隙間から外を見守る一ノ宮輝の最初の発言になった。

    アイランド2

  • その66

    20230715(土)07:38
    「周りのスタッフさんにも還元しないといけないからだろ?」
    「でも通路を歩く必要あるのかよ?どこに経費が掛かってんだよ?」
    樹と翔で話し合った。

    潮が携帯から目を逸らして、顔を上げた。
    「マネージャーに権限がないんだろ?事務所の社員だし。」
    「すまない。今回は…。」
    「いいって。お互い様だよ。」

    アイランド2

  • その65

    20230715(土)07:34
    今回のコンサートで通路を通る演目があったのは、すでにスケジュールを組んでいて、変更が不可だったからの理由だ。

    「変えられないってマネージャー言ってたけどよ、そこは気合いでなんとかしろよな。」
    翔がぶつぶつと文句を垂れていた。

    アイランド2

  • その64

    20230714(金)07:32
    『虚像獣の発生なら影響が及んでも仕方ない』という同情の意見もあれば。
    『ファンとして応援しているなら、理性を保つよう努力しろ』と非難する意見もあった。

    この炎上により、今回のコンサートでファンと距離の近い演目は最後とし、次回からは舞台上の演目しかやらない決まりと変更した。

    アイランド2

  • その63

    20230714(金)07:19
    後日、乗り出そうとしたファン達はきちんと謝罪をし、双方は和解の方向へ進んだ。

    有名人となると、インターネットの拡散も凄まじく。
    この行動の一部始終をネットで書き込んだ者のおかげで、ファンや一般人の間で賛否両論の嵐になった。

    アイランド2

  • その62

    20230713(木)12:51
    直近のコンサートで[ノース・エリア]に虚像獣が出現した時は大変だった。

    [ノース・エリア]出身の女性ファンの一部が、演目で通路を通って歌う樹・翔・潮に乗り出そうとしてきたからだ。

    アイランド2

  • その61

    20230713(木)12:47
    [サウス・エリア]で虚像獣が出現すると、雲の下で暮らす人々の心が病んでいく。
    男性も女性も、若者も老人も関係無しに。

    [5秒前]の今回のコンサートは無事に終われた。
    これはまだ良い方なのだ。

    アイランド2

  • その60

    20230712(水)07:23
    虚像獣の影響は、発生した[サウス・エリア]の北に位置する[セントラル・ゾーン]にも及ぶ。
    [セントラル・ゾーン]は居住区がない代わりに、[ノース][サウス]の区別無しに入場できる。

    アイランド2

  • その59

    20230712(水)07:16
    「演目中さ、ファンの女の子達の目が怖かったんだよなぁ…。」
    「俺も感じた。あれは異常だったよ。」
    「観客席の通路を通って歌う演目の時はきつかったぜ。身体を触られないか心配だったし。」
    「そうそう。何で変更しないんだよって。」

    アイランド2