虚構のアイランド


ほぼ毎日2本ずつ更新します。
下からお読みください。


後日まとめて掲載します。

無断転載はおやめください。

記事一覧

  • その118

    20230810(木)10:36
    むしろ優しい眼差しで見守っていた。
    パイロット業務で怒声を浴びる事に慣れていた私は、逆にいたたまれなくなってしまった。

    コンサートの演目は終了した。
    でも、私達は中展示場を出なかった。

    アイランド4

  • その117

    20230810(木)09:57
    終始挙動不審な行動を起こしていたと自分でも理解している。
    熱狂的なファンからしたら、私の態度に文句をつけるだろう。

    朋美は何も言わなかったが。

    アイランド4

  • その116

    20230809(水)07:30
    朋美からペンライトを2本借りているのだけど、周りの聴衆の動きに流されるだけだった。

    アイドルメンバーの個々の名前を呼ぶのにも、釣られて叫んでしまった。
    熱狂的なファンではないのに。

    アイランド4

  • その115

    20230809(水)07:27
    歌と踊りだけで、大衆の勢いが活発なコンサートは初めてだった。
    私の隣にいる朋美は、仕事時と違って非常に大きな声援でコンサートを盛り上げていた。

    連れてこられた私はというと…演目中はずっとぎこちない動きでいた。

    アイランド4

  • その114

    20230808(火)07:19
    ★★★
    [セントラル・ゾーン]の中展示場内の熱気は熾烈を極めた。
    アイドル人気の効果が凄かったから。

    朋美から渡された小さなパンフレットを読むと、コンサートの演目はほとんど歌と踊りで埋め尽くされていた。

    アイランド4

  • その113

    20230808(火)07:16
    今まで避けていた改札口の前までいった。

    私と朋美はサッとICカードを取り出して、改札機にかざした。
    何も迷う事なく、[セントラル・ゾーン]行きの電車に乗った。

    アイランド4

  • その112

    20230807(月)07:30
    朋美は右手でスーツケースを、左手で私の腕を引っ張った。

    「さ、行こう。
    場所は[セントラル・ゾーン]の中展示場だから。規模は狭いけど、座席指定だから窮屈にはならないよ。」

    アイランド4

  • その111

    20230807(月)07:18
    やっぱり、朋美は私の気持ちを察してくれる。
    いつも迷惑ばかり、かけているなあと不安になる。

    「ごめん。」
    「え?謝らなくていいよ!私こそ、無理に誘ってごめんね。」

    アイランド4

  • その110

    20230806(日)07:46
    女性らしさに欠けていると自負する私でも、TPOはわきまえているはずだ。
    朋美にも何かしら事情があるだろうが、何故こうも恥ずかしくなるんだろうか?

    「あ、いや…。燃華がいいならいいんだけど。スカート着てる子もいるし、悪くはないよ!」

    アイランド4

  • その109

    20230806(日)07:42
    私は自分の格好を見返した。

    …何も格好悪くはない。
    白のワンピースの上にベージュのカーディガンを羽織っていて、つばの長い白の帽子を被っている。
    170センチ以上あって大柄な女性の私だが、コーディネートは女性らしさを強調させている。

    アイランド4