虚構のアイランド
ほぼ毎日2本ずつ更新します。
下からお読みください。
後日まとめて掲載します。
無断転載はおやめください。
記事一覧
その128
20230815(火)07:38目の前の、笑顔を向けてくれる男性だった。
「君…その胸のブローチは…。」
「え!?こ、これ…?」
「懐かしの2人組女性グループの[Salty Sugar]のグッズなんだね?」
「…あ、そう、ですが…。」
アイランド4
その127
20230815(火)07:33声に出せたのが、『う』の1文字の連発だけ。
何をどう言えばいいかわからなかった。
斜め後ろで朋美が待っていてくれたけど、彼女のフォローもまともに聞けなかった。
そんな中、私に助け舟を出してくれた人がいた。アイランド4
その126
20230814(月)08:47任務中でも日常生活でも冷静に対処できる術を持っている私は、老若男女問わず必要があれば話をするし、できる。
だけど、今のコンサートの交流会では…私は一言も話せなかった。アイランド4
その125
20230814(月)08:42[5秒前]のグループの人数は5人であるが、最も右側に立っている『一ノ宮輝』という若い男性と私は対面している。
通気孔代わりの小さな穴の集まり以外はアクリル板で覆われていて、握手すらできない。アイランド4
その124
20230813(日)07:41ずっと音楽をオーディオプレーヤーを通して聴いてきた私にとって、アイドルどころか音楽アーティストとの対面は初めてだった。
余計に緊張していて、正直恥ずかしかった。
隣の女の子は素晴らしい。
アイドルを前にしても、ハキハキと挨拶ができるのだから。アイランド4
その123
20230813(日)07:23戦闘とは無関係な人達まで、虚像獣の対策を迫られている事実。
…早く、忌まわしき怪物が消え去る日が訪れてほしいものだ。
いよいよ私の順番が回ってきた。アイランド4
その122
20230812(土)07:38おそらく、今やほとんどの一般人が知っている虚像獣への対策だろう。
虚像獣には人間の精神を蝕む作用があると言った。
精神を病むと、人々は暴力的になりやすくなると。
だから、ファンによる危害を抑える為に、一定の仕切りを設けているんだと。アイランド4
その121
20230812(土)07:34朋美の後ろに並んだ私だが、交流会でのトラブルの為の対処はなされていた。
主だったのは、アイドル達の前に設置された、分厚くて巨大なアクリル板だ。
アイドル達の顔の部分の高さに、丸い穴の集まりが円を形成する様に開けられている。アイランド4
その120
20230811(金)07:43交流会は中展示場内の別のホールで開かれた。
コンサートを開催した会場に比べて、面積は狭かった。
それでも多くのファンが押し寄せていて、ホール内はすし詰め状態だった。
応援と感謝の挨拶を交わすレベルで済むので、順番はすぐに回ってきた。アイランド4
その119
20230811(金)07:39[5秒前]のファン達にとって、お楽しみ企画があったからだ。
その名も交流会。
アイドルとファン達が間近で対面するイベントである。
私も朋美に連れられて、交流会の列に並んだ。アイランド4