虚構のアイランド


ほぼ毎日2本ずつ更新します。
下からお読みください。


後日まとめて掲載します。

無断転載はおやめください。

記事一覧

  • その298

    20231108(水)05:55
    「それは…、燃華以外には秘密にしないといけないくらいの内緒話、になるのか?」
    ボーデンさんの発言だった。
    倍以上の大人に摘まれた感覚を味わったのか、ネロは身体を震わせた。
    うっ、と声を漏らして。

    アイランド9

  • その297

    20231108(水)05:50
    ネロは直接悩みを打ち明けず、私を借りようとしている。
    一体、どういう事なのか?

    名指しされた私のみならず、ボーデンさん達も困惑していた。

    アイランド9

  • その296

    20231107(火)06:15
    「私?」
    私は右手の人差し指を自分の顔に向けた。

    益々、ネロの深刻さがわからなかった。
    私達は全員、同じ【ペンタグラム】に乗って戦うパイロット。
    他の基地内の人間よりも、信頼関係は強固だった。

    アイランド9

  • その295

    20231107(火)06:10
    今は話を合わせているアージンさん。
    普段は冷静で無口な彼から告げられたネロは、観念して本音を吐いた。

    『悩み』というより、『頼み』事だった。
    「あのさ…燃華を借りてもいい?」

    アイランド9

  • その294

    20231106(月)12:04
    その…と後に続けて、ネロはテーブルの上で指を動かしていた。
    特に左右の人差し指が何度も交差していた。

    「悩み事なら、はっきり言ってしまった方がスッキリするぞ?相当、何かを抱えているんではないのか?」
    アージンさんが言った。

    アイランド9

  • その293

    20231106(月)11:57
    「どうしたネロ、体調が優れないのか?」
    「この前の会見からずっと調子悪いんじゃねぇか?飯食ってるのか?」
    「め、飯はちゃんと食ってるぜ…。」
    ラウトさんに反論したネロだが、いつもよりもトーンが弱かった。

    アイランド9

  • その292

    20231105(日)06:26
    「あ…燃華。」
    「ずっと黙ったままだけど、大丈夫?」
    「いや…その…。」
    いつもの明るく強気な彼とは違って、今のネロはオドオドしていた。
    話題で盛り上がっていたボーデンさんも、ネロに気づいた。

    アイランド9

  • その291

    20231105(日)06:22
    大人の仲間入りに近づいている少年が、こっちを向いた。
    現実に戻された、みたいな表情をしていた。
    両目と口が開かれた状態だったから、どこかに意識がトリップしていたんだなぁ、と私は勘づいていた。

    アイランド9

  • その290

    20231104(土)06:17
    「ネロ、ネロ。」
    ポンポンと最年少の少年の肩を、私は軽く叩いた。
    ネロは子供っぽいけど、体つきは鍛え抜いた小柄な成人男性と変わらなかった。
    肩の筋肉の硬さが、伝わってくる。

    アイランド9

  • その289

    20231104(土)06:13
    大好きなオレンジジュースを飲んでいたネロ。
    透明の容器から、氷とジュースの量が全然減っていない事に気づく。

    そこまで、深刻になっているのかな?
    私は隣に座るネロが気がかりになり、小さな声で彼に尋ねた。

    アイランド9