虚構のアイランド


ほぼ毎日2本ずつ更新します。
下からお読みください。


後日まとめて掲載します。

無断転載はおやめください。

記事一覧

  • その308

    20231113(月)09:57
    「ネロ…本気でどうしたの…?」
    私は柄でもないのに、普通の女の子が怯える時の素振りをしていた。
    ネロを落ち着かせる為の苦肉の策でやったので、見知らぬ同性が目撃したらブーイングが舞い込んでくるだろう。
    そんな感じの可愛らしい態度を示した。

    アイランド10

  • その307

    20231113(月)09:52
    考えられるのは、ネロの悩みが私以外には打ち明けられない、秘密にしておきたい内容を抱えている、って事だ。

    彼の本音は、聞いてあげたいのだが。
    どうも食堂を出る時から乱暴気味で、私は少々困惑している。

    アイランド10

  • その306

    20231112(日)06:25
    ドアと壁がなす角の位置で、私はネロに塞がれた。
    側から見れば、ネロが私に迫っているかのようだった。

    ネロ本人に、私を襲うやましい心は持っていない。
    長い事パイロット仲間をしてきてるので、私はそれを理解している。

    アイランド10

  • その305

    20231112(日)06:21
    「ネロ!こんな所まで来て一体…。」
    ドン!と衝撃音がした。
    ネロが金属のドアに、強く掌を当てたからである。

    私を連れてここまで来る事に、文句を言わさぬ空気が漂った。

    アイランド10

  • その304

    20231111(土)06:26
    暗がりの『行き止まり』で、既に隠れ場所まで辿り着いた私達。
    だがネロはもう少し、自分達の身を潜めようと考えていた。
    例の『行き止まり』の隅まで、かなり奥まで入り込んでいた。

    アイランド10

  • その303

    20231111(土)06:21
    ★★★
    ネロに強引に連れて行かれた私は、彼と一緒に通路の行き止まりまでやって来た。
    正確には『行き止まり』ではなく、頻繁に開閉しない金属のドアの手前である。
    そこは通路の間に入った、薄暗い場所だった。

    アイランド10

  • その302

    20231110(金)06:39
    ネロの咄嗟の行動に驚いた私だが、半分は彼に流されてみようと考えた。
    ネロ本人が、私と2人きりだったら、悩みを打ち明けやすいのだったら。
    どうしてもボーデンさん達への報告が必須なら、その時はネロがいない所で場を設けてもらおう。
    頭の転換が必要だ。

    アイランド9

  • その301

    20231110(金)06:35
    私もネロもパイロットだから、訓練で鍛え上げられている。
    全力で抵抗すれば、腕を振り払うのは可能だった。

    しかし、そうなればネロも怪我をしてしまう。
    大袈裟だけど、任務に支障をきたすだけは避けたかった。

    アイランド9

  • その300

    20231109(木)11:13
    普段は大人しく控えめでいる私でも、流石に慌ててしまった。
    「ちょっと!ネロ!」
    私は制止してもらうために、戦闘時以外で大きな声を出した。
    でも彼は、手首を離さずに強引に私を連れ出そうとする。

    アイランド9

  • その299

    20231109(木)11:09
    それからの彼の行動は、早かった。

    隣に座っていた私の手首を握って、引っ張っていた。
    ネロは立ち上がって、食堂の出入り口である両開きのドアを目指していた。

    アイランド9