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• その３１８

  20231118（土）07:26
  これはネロに聞かれて即興で考えた答えではない。
  脱退のニュースを聞いて、立ち直ってからずっと考えていた本心だ。
  輝が［ノータブル］という嫌な組織に属したからと言って、真っ向に否定してはいけない。

  アイランド１０

• その３１７

  20231118（土）07:22
  いや、ネロが真剣に悩んでいるんだ。
  呆気ないなんて思うと、失礼だろう。
  
  だから、私はネロからの問いに、真剣に答えた。
  「脱退して寂しいけど、輝が決めた事だろうし…。アイドルとは別の道に進んでも、私は応援するよ？」

  アイランド１０

• その３１６

  20231117（金）07:34
  ネロの話を、よく聞いてからアドバイスでもしよう、と私は考えた。
  
  「燃華はさ、」「うん。」
  「あの輝って男、どう思ってるんだ？」
  
  …そんな悩みを、今まで抱えていたのか。

  アイランド１０

• その３１５

  20231117（金）07:20
  「ネロ、本当に…体調が悪いとか…。」
  「あのさ、燃華。」
  ネロが私の心配を遮った。
  多少の疲れが残っていても、肝心の本音は打ち明けようとしているのだ。
  私が闇雲に手を差し伸べてはいけない。

  アイランド１０

• その３１４

  20231116（木）10:20
  「やっぱり、俺の見間違いじゃないんだな…。」
  ハハハ、とネロは乾いた笑いをこぼした。
  心身共に支障をきたして、壊れてはいない。
  しかし、彼が心底辛そうな表情を見せていると、聞いているこちらまで心配してしまう。

  アイランド１０

• その３１３

  20231116（木）10:17
  流石に追い込みすぎたのか、ネロは観念して、本音をぶちあけた。
  
  「あのさ、燃華。一ノ宮輝って元アイドルだよなぁ？」
  「そうだよ？［５秒前］というグループに所属していたんだよ？」

  アイランド１０

• その３１２

  20231115（水）06:11
  私と２人きりになっても、肝心の悩みは打ち明けにくいのか…。
  よっぽど、深刻そうに俯きながら、生きていたのかな？
  
  聞き出したいのは山々だけど、私は彼本人が重い口を開くまで待ってあげた。

  アイランド１０

• その３１１

  20231115（水）06:06
  今の相手はネロだけだ。
  彼に効き目があればいいと、私はより深くは考えなかった。
  
  謝ったネロは、今までの勢いが嘘だったかのように、左右の人差し指でモジモジしていた。
  

  アイランド１０

• その３１０

  20231114（火）06:26
  繊細ではあるが、あまりに切羽詰まりすぎても、私には対処できない。
  何でもいいので、まずは私より年下の男の子を冷静にさせる工夫が必要だった。
  
  これが子供っぽいネロではなく、成人男性なら効果があるのかはわからないが。

  アイランド１０

• その３０９

  20231114（火）06:20
  女の子らしい態度の前に、今まで強引だったネロがタジタジになった。
  
  「あ、ごめん…。」
  そう言った彼は、私との間隔を空けた。
  これで、ちょっとした苦しみから解放されるだろう。

  アイランド１０