虚構のアイランド


ほぼ毎日2本ずつ更新します。
下からお読みください。


後日まとめて掲載します。

無断転載はおやめください。

記事一覧

  • その328

    20231123(木)06:22
    あそこに立っている以上、務めは果たさないといけない。
    扇浜は[ノータブル]の総指揮官だ。
    建前上、彼の意向には従わないといけない。

    他の部下が笑っているなら、輝も笑わないといけないのに…。

    アイランド10

  • その327

    20231123(木)06:18
    「扇浜はともかく、他の[ノータブル]の人達は彼の部下のようなものだから、そこは合わせないと…。」
    「じゃあ、アイツだって笑わねぇといけないだろ?」

    なるほど。そういう事か。
    私はようやく、ネロが奇妙に思う点について、今理解できた。

    アイランド10

  • その326

    20231122(水)12:55
    ネロは常々子供っぽい仕草をするけど、たまに頓珍漢な発言もする。
    変わっているなぁと思ってしばらく耳を傾けていたら、彼の発言には続きがあった。

    「扇浜とか、他の奴らなんかニヤニヤしてんだぜ?ドヤ顔みたいな感じでよ?」

    アイランド10

  • その325

    20231122(水)12:33
    「よくそう読み取れたのね?」
    「読み取った、つーか、俺、アイツの表情を見たんだよ。
    全然、笑っていねぇんだ。」
    「そりゃあ…。大事な会見の場だから、ヘラヘラ笑えないし…。」

    アイランド10

  • その324

    20231121(火)07:31
    「嫌々?」
    「そう。扇浜か他の奴らに誘われてよ。嫌々でやってるけど、それでも続けてんのはなんか目的あんのかなぁ、って。」
    ネロはあの扇浜の会見で、輝の本当の気持ちを自分なりに感じ取っていたらしい。

    アイランド10

  • その323

    20231121(火)07:20
    ネロは、う、ううっ、と唸った。
    本音を洗いざらい話すのに、戸惑っている。

    だが唸ったわりに、彼は気持ちを切り替えて、素直に打ち明けた。

    「俺、感じてしまうんだ。アイツは嫌々入隊しているんじゃないか、って。」

    アイランド10

  • その322

    20231120(月)12:07
    今、ネロの深刻な悩みを共有できるのは、私だけ。
    彼にあと1歩踏み込ませるよう、私は促した。

    「ネロ。今聞いてるのは私だけよ。君が輝に対してどう思ってるか、具体的に言って欲しいの。」

    アイランド10

  • その321

    20231120(月)12:03
    気にしていない、とネロは口で言った。
    口では否定していたが、表情は素直だった。

    いつも明るく元気でお調子者のネロから、暗い雰囲気が漂う。
    もう少し、気にかけてみる必要がある。

    アイランド10

  • その320

    20231119(日)06:26
    ひどく困惑していたようで。
    もしかして、私の答えが悪かったのかと、逆に気を遣ってしまった。

    「ご、ごめん!私、正直に答えただけだから!」
    「いや、いいぜ。燃華の考えが普通なんだよ。」

    アイランド10

  • その319

    20231119(日)06:20
    輝の事を思うならば、彼が決めた道を歩むのを黙って見守るのが、ファンとしての心構えだろう。
    私のファン歴はかなり短いので、簡単に説教じみた事は言えないけど。

    ところが、私がそう言った後のネロは、目を逸らした。

    アイランド10