虚構のアイランド


ほぼ毎日2本ずつ更新します。
下からお読みください。


後日まとめて掲載します。

無断転載はおやめください。

記事一覧

  • その778

    20240708(月)07:03
    「幼少期からお互いの共有・共感・共鳴を促進するのに、大掛かりな実験をさせたみてえでな。
    最終的にパンクして精神崩壊して…飛び降りたさ、崖の上からな。」

    私は自分の頭が、強く叩かれた気分を味わった。

    アイランド19

  • その777

    20240708(月)06:53
    私が先を急かさなくとも、[ノータブル]の総指揮官は勝手に喋り出した。

    「あの雌ガキ共は《ユナイテッド》のプロトタイプだったんだよ。
    綺麗なハーモニーが感じられて美しいと評判あったがな、あれは作られたもんなんだ。」

    アイランド19

  • その776

    20240707(日)06:01
    私が訓練兵時代からずっと大好きだった、女性デュオのアーティスト。
    彼女達を『雌ガキ』呼ばわりで、扇浜が侮辱しているのがわかる。
    これだけでも腹立たしいのは事実だが…私はその後の人生が気になった。

    アイランド19

  • その775

    20240707(日)05:55
    「…昔、災害で消沈しきった人類に、安らぎの歌が流れてきた。
    活動休止以降メディアに一切現れなくなった、伝説の女性デュオ[Salty Sugar]。
    その後の雌ガキ共の人生を教えてやるよ。」

    私は驚きで、扇浜をじっと見ていた。

    アイランド19

  • その774

    20240706(土)06:08
    時折出てくる、聞き慣れない言葉。
    推定できるとすれば、輝が双子の兄ではないかという説だけで…あとは何もわからない。

    私の戸惑いは隠しきれていない。
    勝ち誇ったような笑みを浮かべながら、扇浜は話を続けた。

    アイランド19

  • その773

    20240706(土)05:59
    どういう関係性があるのかさっぱりわからない私に、扇浜が勝手に喋り出した。

    「《ユナイテッド》っつー特性の双子のガキがいるんだわ。
    初めは普通に産まれるが、成長段階で手術を受けて、感受性の強いガキが出来上がるんだわ。」

    アイランド19

  • その772

    20240705(金)05:54
    [ノータブル]に在籍する隊員も、元々は正規軍から派遣された人間ばかりだ。
    トップである扇浜が知っていても、不思議ではない。

    問題は、別にある。
    銃弾で倒れている金髪の男が、その名家と深い関わりがある件だ。

    アイランド19

  • その771

    20240705(金)05:48
    《サウスフィールド家》は、[サウス・エリア]では地主的存在の名家である。
    一般家庭とは異なり、土地建物が広大であったり、家族構成が複雑である特徴がある。

    正規軍との密接な繋がりがあるとされており、私も名前ぐらいは聞いた事がある。

    アイランド19

  • その770

    20240704(木)06:52
    「…双子?」
    私は顔を上げた。

    子供達の発言からでも気にしてはいたが…扇浜の言葉に引っかかった。
    輝に『弟』がいた噂もだが、突如名家の名前が出たのだ。

    アイランド19

  • その769

    20240704(木)06:47
    「ガキ共に失望して、寝返ったってか?
    そうだよなぁ!お前には『弟』が向こうにいるんだからなあ!
    結局、恋しいんだろう?

    なあ?寝落ち寸前の《サウスフィールド家》の双子の『兄』よ。」

    アイランド19