虚構のアイランド


ほぼ毎日2本ずつ更新します。
下からお読みください。


後日まとめて掲載します。

無断転載はおやめください。

記事一覧

  • その788

    20240713(土)05:45
    いやだ。やめてくれ。いきていてくれ。
    それぐらいしか思考が働かなくなって。
    奇跡が起きてほしいと、願ったのに…。

    「どうか…僕、の…おと…うとを…、セン、ズ…ネロ…アマ、リーノ…を、たの…む…。」

    アイランド19

  • その787

    20240713(土)05:40
    「戦え…るのは、あなた…です…。」
    私はまた、彼に発言を止められた。
    ハッと声をあげて、口が塞がらない状態になった。
    涙は止まらない。
    寒気はしないのに、自分の体がプルプル震えている。

    アイランド19

  • その786

    20240712(金)05:19
    彼に残された時間はわずかだと、告げられているようだ。

    「あなたは役に立っていますよ!短い間でしたが、心の支えになりました。
    あなたの声で救われるファンは大勢います!だから…!」

    アイランド19

  • その785

    20240712(金)05:11
    「僕は…何も、できません…。芸能…活動…も…、メンバー…支えて、くれました…。僕には、能力…が、あり…ません…。」
    段々と輝の声が弱くなっていく。
    彼の瞼も、閉じかかっている。
    私が触れた胴体も、冷たさが伝わってくる。

    アイランド19

  • その784

    20240711(木)08:18
    このまま、終わらせてほしくはない。
    私の涙は段々と溢れていった。
    私の目元が、頬が、暖かい雫で濡れる。
    雫の果ては、危篤状態の彼の身体に落ちていった。
    「ダメです!あなたは生きなくてはならない!私の処遇はどうだっていいんです!あなただけでも…。」

    アイランド19

  • その783

    20240711(木)08:10
    「輝さん!今は喋ってはいけません!あなたの傷口は…。」
    「僕の…弟…だね?あの、時…アレを…倒した…時、と…、感覚…同じ、だ…。」
    輝は私の制止を聞かず、懸命に伝えたい事を話した。
    残りわずかの、限りない命だというのに。

    アイランド19

  • その782

    20240710(水)05:47
    私は正気を取り戻した。
    輝は銃弾が腹部にのめり込んだ状態であり、危篤である。
    まだ言葉を紡げるのならば、彼は生きている…!

    私は彼に生存率を高めさせようと、強く説得した。

    アイランド19

  • その781

    20240710(水)05:43
    その人は、言葉を少しずつ、紡ぐようにゆっくりと喋りだした。
    緊迫した事態で優しく話す人間は、たった1名だけだった。

    「…知って、ました…。誰が、僕を、呼んで、いる、のか…。」

    アイランド19

  • その780

    20240709(火)05:46
    悲しみばかりが、私の心を支配していた。
    [ノータブル]の隊員達の数人が、私と輝を取り囲む。
    自分達を捕縛しようとやってくる。
    こんな時なのに、動く気力がない。

    私に、語りかけようとしてきた者がいた。

    アイランド19

  • その779

    20240709(火)05:42
    自分が昔から推していた女性デュオが、今は生きてすらいない真実に。
    これには、私も正気でいられなかった。
    ショックの連続で、体が思うように動けない。
    輝の側で、涙が少しずつ、ポタリと落ちていくだけ。

    アイランド19