虚構のアイランド


ほぼ毎日2本ずつ更新します。
下からお読みください。


後日まとめて掲載します。

無断転載はおやめください。

記事一覧

  • その488

    20240211(日)06:22
    予想通り、かなり難しい頼み事である。

    正直、伝言自体は容易いだろう。
    [ノータブル]でも外部の人間との面会が許されている時間帯があるし、輝に会って話せばいい。

    問題は、輝が快く了承するかだ。

    アイランド13

  • その487

    20240211(日)06:18
    私に促されて初めて、自分の欲求を暴露した。

    「俺さ。アイツには[ノータブル]から、軍から離れてほしいんだ。
    もう1回、アイドルとして笑顔を振りまいてほしいんだよ。
    虚像獣相手でも、戦闘には参加してほしくない。」

    アイランド13

  • その486

    20240210(土)06:23
    「どうして欲しいか、って?」
    「そこまでくよくよ悩んでるし、どうしても解決してほしい問題があるんでしょ?
    なら、何かしらのアクションを起こすべきよ。」
    私はこれでも、当たり障りのないようには言った。
    ネロの表情は、暗いままだった。

    アイランド13

  • その485

    20240210(土)06:19
    他の手立てを考慮してみなければ…。

    まずはネロに、彼自身の希望を聞き出そう。
    彼がどうして欲しいのかがわからないと、先に進めない。

    「ネロ。あなたは輝にどうして欲しいの?」

    アイランド13

  • その484

    20240209(金)06:36
    以前の虚像獣の戦闘で、黄色のロボが出現してからのネロの状態が急変した真実がある。
    あの時は青ざめた程度で軽く済んだ。
    ところがもし、息切れを発作してしまうレベルまでいってしまえば…。
    【ペンタグラム】に乗れないどころでは済まされないだろう。

    アイランド13

  • その483

    20240209(金)06:32
    外野の私達ができるのはせめて、無事を祈るしかない。
    虚像獣と戦って落ちない事や、扇浜達にいじめを受けていない事を、願うしかない。

    此度の会話でも、ネロにそう言い聞かせようとしたいんだけど。

    アイランド13

  • その482

    20240208(木)11:03
    しかしながら、いくらネロが悶々と考えていても、輝は[ノータブル]を出るつもりはないだろう。
    そもそも、私ですら[5秒前]のファンの交流会で初めて出会ったんだ。
    1度も会った事のないネロの思考が、輝に届かない。

    アイランド13

  • その481

    20240208(木)10:54
    ネロはかなり、[ノータブル]に所属した輝に対して、懸念を抱いていた。
    よほど深刻に考えている。
    年齢のわりに幼さが残る彼が、1人の人間の今後について、真剣に苦慮している。
    彼の態度に、私は感心していた。

    アイランド13

  • その480

    20240207(水)06:26
    出撃前での2人きりで話した内容は、まだ解決していない。
    総指揮官達に内密にしている以上、私はネロの悩みを聞かなくては。

    「何?」
    「アイツさ、あのまま[ノータブル]にいて大丈夫なのかなぁ…?」

    アイランド13

  • その479

    20240207(水)06:23
    何も悪い事はしていないんだ、一ノ宮輝は。

    「…なあ。燃華。」
    ネロが私に声を掛けた。
    この時の彼の声が、震えているように聞こえた。
    何かに、怯えている。

    アイランド13