虚構のアイランド


ほぼ毎日2本ずつ更新します。
下からお読みください。


後日まとめて掲載します。

無断転載はおやめください。

記事一覧

  • その578

    20240327(水)08:24
    間に受けて神経をすり減らさないのが身体にいいと考えていたからだ。
    少しでも早く、出られる事を祈っていた。

    それは、いよいよ叶うのかもしれない。
    照明を消した個室内に突如、光が差し込まれたから。

    アイランド15

  • その577

    20240327(水)08:22
    個室外の様子を目では確認できない。
    耳では…足音や話し声は聞こえた。
    ツカツカと革靴で歩く音、タッタッタッと走る音、他愛ない会話で盛り上がる時の笑い声…。
    自分に対する悪口なんかも聞こえてきそうだったが、あえて聞かないフリをした。

    アイランド15

  • その576

    20240326(火)07:41
    解放の時期を輝も知りたかったのだが、扇浜は教えてくれなかった。
    立場上上官である事も考慮して、聞き出すのも躊躇った。

    黙って、狭い空間から出られる日を待つしか、輝にはなかった。

    アイランド15

  • その575

    20240326(火)07:38
    個室から出られない状況の今は、退屈で仕方なかった。
    身体のみでできるトレーニングと運ばれてくる食事以外は、ベッドで横になって体を休めるのに専念した。

    虚無感が漂う気分だった。

    アイランド15

  • その574

    20240325(月)16:27
    パイロットの身である為、個室内で完結する筋トレやストレッチは欠かさないようにしている。
    それを持続しても、せいぜい3時間が限度である。
    鍛錬を好む者でも、長続きは難しい。
    合間に休憩も必須だ。

    アイランド15

  • その573

    20240325(月)16:24
    基準を掲げたとしても、役には立たなかった。

    自ら犯した罪であると自覚しても、毎日24時間、ずっと自分の個室で我慢していると息が詰まる。
    退屈しのぎの動画コンテンツ等は提供されていても、そればかりでは飽きが来る。

    アイランド15

  • その572

    20240324(日)06:35
    窓も一切ないので、外の空気すらも吸う事ができない。
    基準に引っかかる設計になっていると思われがちだが、[ノータブル]も元は正規軍から派生された基地である。
    軍隊は行政が間接的に関わっている。
    行政の息がかかっているならば、よそ者の手出しはできない。

    アイランド15

  • その571

    20240324(日)06:24
    急速に降りて行く【ヴィラー・ルーズ】のコックピットの中で、輝はそれだけを思っていた。

    扇浜から罰を与えられて、現在は自分の個室に『閉じ込められて』いる。
    外側からでないと、自動ドアは開錠できない設定にされていた。
  • その570

    20240323(土)05:21
    南の地方を管轄する基地の、パイロット部隊の1人に対してだ。
    降下時、輝は心臓に痛みを感じていた。
    【ヴィラー・ルーズ】のコックピットの中で、後ろに目を逸らしていた。

    (やはり、君は活動しているんだ…。)

    アイランド15

  • その569

    20240323(土)05:16
    彼の行動は速攻で扇浜にバレた。
    輝からすれば…見抜かれると最初からわかってはいた。
    しかし、南の地方は無関係と言っても、見過ごす事はできなかった。

    なにより、輝には気になる青年がいた。

    アイランド15