虚構のアイランド


ほぼ毎日2本ずつ更新します。
下からお読みください。


後日まとめて掲載します。

無断転載はおやめください。

記事一覧

  • その598

    20240406(土)07:16
    得体の知れない何かに怯えていた。
    身震いを起こす時もあった。
    今までのやんちゃな少年の彼がどこへいったのか、わからなくなる程に。

    このままではいけない。
    ネロの意欲が喪失してしまえば、彼の身が危なくなるだろう。

    アイランド16

  • その597

    20240406(土)07:06
    私をここまで動かしてくれたのは、ネロのおかげだ。
    子供っぽいけど、いつも元気に振る舞っていたパイロット部隊の最年少。
    ここしばらくは…活発な姿を見ていない。

    アイランド16

  • その596

    20240405(金)07:29
    こちらにも事情はあるんだ。
    私個人としては、何もない。
    アイドルグループ[5秒前]のメンバーとして復帰してほしい希望はあるが、総合的に考えてみれば軍属の方が社会の貢献度合いが高いだろう。
    それだけならば、私は簡単に諦めた。

    アイランド16

  • その595

    20240405(金)07:02
    まさにその通りで、私達が自発的に動いているだけだ。
    輝が拒んでも普通の対応だから、おかしくはない。
    奇妙な行動を取っているのは私達だ。

    しかし、ここで退くわけにはいかない。

    アイランド16

  • その594

    20240404(木)13:15
    だが、輝の手を取るのは、困難だった。
    あまりの驚愕で固まっていた彼ではあるが、ようやく口を開いた。

    「一体、どうしてここに…?」
    「あなたを外の世界へ連れ戻そうと、やって来ました。」
    「何も頼んで、いないのですが…?」

    アイランド16

  • その593

    20240404(木)13:04
    驚いている暇はない。
    即座に輝を連れて脱出しなければ、[ノータブル]の奴らに嗅ぎつかれてしまう。
    脱出経路も、確保しなければならない。
    ネロとはまだ、連絡をつけられる状態にしている。

    アイランド16

  • その592

    20240403(水)05:58
    連れ出す予定の当の本人は、大層驚いていた。
    至極当然である。
    私は彼に予告の伝達などを発信していない。
    何の連絡も無しに、ネロと協力してここまでやって来たのである。
    ギョッとして、後退するのも仕方がない。

    アイランド16

  • その591

    20240403(水)05:46
    私はドアを閉めるのと、監視カメラを避ける対策を同時に行なった。
    ロッカールームで着用した軍帽とベールを脱いで、輝に自分の顔を見せた。

    「貴方が、一ノ宮輝さん、ですね?」
    「初めまして。貴方を、ここから連れ出します。」

    アイランド16

  • その590

    20240402(火)06:01
    姿勢は大分崩している。
    どちらかと言えば、片手がついている方を横に傾ければ、寝転がる姿勢になりかねないだろう。

    個室ではあるが、室内は新品同様、綺麗な内装だった。

    アイランド16

  • その589

    20240402(火)05:58
    手を汚さずにA棟へ行く事ができ、輝の部屋まで気づかれずに進めた。
    逆に無防備なのが不安になるくらいである。

    ネロの案内により、輝はA棟の2階の個室のベッドの上で座っていた。

    アイランド16