虚構のアイランド


ほぼ毎日2本ずつ更新します。
下からお読みください。


後日まとめて掲載します。

無断転載はおやめください。

記事一覧

  • その618

    20240418(木)08:33
    ほんのちょっとだけ、彼の反応を待った。
    何の言葉を話さずに、彼の顔をじっと見つめた。

    輝が行動に出た。
    「条件次第でなら、協力しますよ?」

    アイランド16

  • その617

    20240417(水)08:19
    「…まだ、未定ですが。」
    「という事は、貴方方にとっては、今がチャンスですね?」

    この反応は…『期待』してもいいのだろうか。
    私にはその熟語が頭によぎった。

    アイランド16

  • その616

    20240417(水)07:17
    私の肩に、手を置かれた。
    自動ドアが閉じられている状況の中で、私の身体に触れられる人間は1人しかいない。

    「輝さん…?」
    「次回も、来る予定を立てているのですか?」

    アイランド16

  • その615

    20240416(火)11:59
    ネロの動揺の声は、想像通りだった。

    『ええっ!?会ったんだったら連れていってくれよ!』
    「やっぱり何の連絡も無しに連れ出すのは困難だったのよ…。[ノータブル]がガチガチのセキュリティだから…?」
    私はちょっとした変化に気づいた。

    アイランド16

  • その614

    20240416(火)11:51
    私は左耳に手を当てる仕草をして、言葉を発した。

    「ごめんね。今回は引き返すわ。
    次回は次回で考えましょ?
    あなたが会いたがっていた彼には、出会ったわ。」

    アイランド16

  • その613

    20240415(月)08:23
    「そうですか…。わかりました。私はここで引き下がります。」
    輝が拒んだ以上、私にできる事は何もない。
    潔く、自分は逃げよう。

    無線で繋がっているネロに、まずは報告だ。

    アイランド16

  • その612

    20240414(日)06:02
    予想通り、輝は未だに困惑していた。
    彼は自分の心情を、正直に伝えた。

    「申し訳ございません。自分は末端の隊員の身です。
    勝手な行動は慎めと言われております。貴女の手を取れません。」

    アイランド16

  • その611

    20240413(土)09:28
    私はずっと、頭を下げた状態を維持していた。
    輝を連れ出したい気持ちを強くして。
    私と、ネロの想いが、彼に届くようにと願っていた。

    これ以外の策を、私は思いつかなかった。
    断られてしまえば、後はない。

    アイランド16

  • その610

    20240412(金)06:20
    ひどく驚いた表情を、私に示していた。

    「もしかして君は、僕が最後に出場したコンサートの交流会の…」
    「最後にはしません。貴方の復活を望むファンはたくさんいます。
    どうか、私に協力して頂きたい。」

    アイランド16

  • その609

    20240412(金)06:16
    「私は、白いワンピースを身につけていました。」
    「ああ…清楚な格好をする女性ファンも結構いますよ?」
    「[Salty Sugar]を、覚えていますか?」
    「…え?」
    輝が過剰に反応した瞬間だった。

    アイランド16