虚構のアイランド


ほぼ毎日2本ずつ更新します。
下からお読みください。


後日まとめて掲載します。

無断転載はおやめください。

記事一覧

  • その628

    20240423(火)08:28
    俗に言う監禁されている人間が外に出ていると知れ渡ったら、私達は素早く捕縛されるであろう。
    それでは計画が水の泡になってしまう。

    自動ドア以外の脱出経路を、早く探し出さなくては…。

    アイランド16

  • その627

    20240422(月)08:20
    しかし、輝を普通にA棟内の通路を歩かせるわけにはいかない。
    通路には当然、隊員達が行き交っていた。

    そこで噂話を耳にしたのだ。
    『一ノ宮輝が規則を破り、自室に閉じ込められている。』と。

    アイランド16

  • その626

    20240422(月)08:16
    感謝の気持ちでいっぱいだったが、まだ仕事は残っている。
    輝とネロ、2人を対面させる前に、まずは[ノータブル]の基地から脱出をしなければならない。

    自動ドアは、完全に施錠されていない。
    私が専用のキーで解除したからだ。

    アイランド16

  • その625

    20240421(日)08:31
    今度は、輝の本心から脱出の協力を依頼してきた。
    私は相当、彼の期待に応えなくてはならない。
    喜んで、勢いよく頭を下げた。

    「ありがとうございます!人物には早いうちに会わせますので!」
    「いえいえ。今の優先順位は、脱出が先でしょう?」

    アイランド16

  • その624

    20240421(日)07:37
    なんと、『条件』の緩和だった。
    これならば…今のチャンスを逃すわけにはいかない。

    「もちろん、貴方とその人物を対面させます。必ず。」
    「そうですか。では、自分をここから出して下さい。」

    アイランド16

  • その623

    20240420(土)13:31
    『条件』を提示した本人は、さらに詳細を追加した。

    「今教えて頂かなくとも構いません。なんなら、『直接会う』事に変更していただいても結構です。
    自分を連れ出したいのでしたら、それだけは検討してもらえませんか?」

    アイランド16

  • その622

    20240420(土)13:23
    輝の前とは言っても、『条件』を突きつけられても…サラッと名前を打ち明けるわけにはいかない。
    この活動は極めて困難だなあ…。
    私の心は諦めムードに移行していた。
    輝に背を向けて、瞬時に去ろうとした時だった。

    アイランド16

  • その621

    20240419(金)08:30
    『自分の名前を伏せていてほしい。』と。
    告げられた時は何で?と私は聞いた。
    理由は答えてくれなかったが、かなり憂鬱な顔つきになっていた。
    相当、深刻な事情があるんだ…。
    ネロの意志を尊重して、この約束を交わした。

    アイランド16

  • その620

    20240419(金)08:26
    「僕に会いたがっている人物を教えて下さい。」
    「…え?」
    私は内心、困り果ててしまった。
    輝が出した『条件』に、問題があった。

    ネロは私に、この潜入行動に関しての約束を結んでいた。

    アイランド16

  • その619

    20240418(木)08:37
    なんと、彼の意思が変わったのだ。
    但し、丸々肯定の意思表示ではない。
    『条件』、と彼は付け加えていた。

    私も機会を逃したくないので、『条件』の内容を知りたかった。
    「条件、とは?」

    アイランド16