虚構のアイランド


ほぼ毎日2本ずつ更新します。
下からお読みください。


後日まとめて掲載します。

無断転載はおやめください。

記事一覧

  • その808

    20240723(火)05:45
    ネロはレバーを強く握りしめた。
    潜水艦は水中にも関わらず、激しい動作を繰り返した。

    ミサイルが叶わないなら、加速をつけた体当たりで突き抜けようとする。
    ロボへの照準を、完全に捉えきれずに。

    アイランド20

  • その807

    20240723(火)05:41
    『止まれ!ネロ!これ以上被害を悪化させる気か!』
    「…被害…?う、うわあああああ!?」

    ネロはロボのパイロットの発言に一旦、ピタリと止まった。
    だが…それは彼を混乱させるだけだった。

    アイランド20

  • その806

    20240722(月)08:32
    ミサイルは真っ直ぐ、岩礁の群れへと衝突した。
    爆発には、白い煙が噴き出されるだけだった。
    魚や貝などの生命体が逃げ遅れてなければいいのだが…とロボを操縦するパイロットは願っていた。

    アイランド20

  • その805

    20240722(月)08:25
    『海中ミサイルかよ!』
    『避けるぞ!無闇に攻撃するな!』

    海中ミサイルは左右に1発ずつ前へ飛んで行った。
    ちょうどロボが標的にされたのだが、2体は軽快な動きで回避した。

    アイランド20

  • その804

    20240721(日)05:42
    モニターにも左右にロボが映っていた。

    やはり武器を持っている…!
    ネロは左のレバーを離し、近くにある黄色いボタンを押した。

    潜水艦正面下から、白い弾が2発、噴出された。

    アイランド20

  • その803

    20240721(日)05:36
    潜水艦の操縦席のモニターはもう、[ノータブル]の全フロアは表示されていない。
    周りの海底の、魚介類や海藻の生態を観察できる映像へと切り替わっている。

    潜水艦の正面に、回り込んだロボが2体。

    アイランド20

  • その802

    20240720(土)06:33
    『応答して下さい!ネロでしょう!?』
    『おいコラ!止まれよガキ!』

    1人からはネロを罵るような別称で叫ばれた。
    罵倒してくれるなら、気にかける必要はない。
    武装で思いっきり、蹴散らせるだろう。

    アイランド20

  • その801

    20240720(土)06:28
    冷静さを促すような、落ち着き払った声。
    だが慌てふためくネロは、聞いていない。
    聞こえてはいるかもしれないが…人の言葉に耳を傾ける余裕はなかった。
    何もかも、彼に近づく輩が敵だと勝手に決めつけていた。

    アイランド20

  • その800

    20240719(金)06:04
    逃亡中、突然、相手側からの通信が一方的に入った。
    ピピっと電子音が鳴った後、音声が流れてきた。
    中年の男性の、淡々とした声だった。

    『そこの艦に搭乗しているのはネロか?』

    アイランド20

  • その799

    20240719(金)05:56
    遠くへ距離を取らないと…攻撃されて…。

    酷い焦燥感に駆られていたネロ。
    滅多に涙を流さない強気な18の少年だったのに、今は泣き虫小僧となっていた。
    声も、喉が枯れそうになるくらいに荒げていた。

    アイランド20