虚構のアイランド


ほぼ毎日2本ずつ更新します。
下からお読みください。


後日まとめて掲載します。

無断転載はおやめください。

記事一覧

  • その638

    20240428(日)08:36
    「誘導係が位置を把握してますんで、私達はそこを目指しましょう。
    険しいですが…。」
    「貴方の頼みを聞いた時点でわかりきった事ですから、あまり心配なさらずに。
    こう見えても、基礎は鍛えてますので。」

    アイランド17

  • その637

    20240427(土)08:24
    格子模様の光が、通路の天面にやんわりと照らしている。
    前後に1箇所ずつ、それを確認できた。

    あとは自前の携帯用のライトと併用すれば、進行自体は可能である。
    もちろん、ネロからの誘導も必須だが。

    アイランド17

  • その636

    20240427(土)07:39
    ★★★
    開かれた通気口をよじ登ると、そこは真っ暗で天井の低い通路になっていた。
    通路、とは言い難いだろうけど。
    真っ暗で前後ろも左右もわからないかと思われたが…通気口の類が他にも存在した。

    アイランド17

  • その635

    20240426(金)08:40
    施錠口が通気口の縁周りに存在している。
    ピッキング用の針をカチャカチャするだけで、通気口のロックは解除された。
    ロックは1箇所だけであり、解除すると格子状の蓋がぶら下がるように開かれた。

    これで、脱出への最初の1歩が踏み出せた。

    アイランド16

  • その634

    20240426(金)07:36
    「3段しかないですし、高さを期待できませんが…。」
    「いいですよ。これでやってみましょう。」

    私は承諾すると、脚立を通気口の真下よりほんの少しずらした位置に配置し、登った。

    アイランド16

  • その633

    20240425(木)21:08
    どうしようか悩んでいると、輝が何かを持ち出していた。
    両手で抱えて持ち運んでいるので、床に傷はつかなかった。

    「無機質な部屋だけど、収納スペースには私物がたくさん詰め込まれていまして…。」
    「脚立、ですか?」

    アイランド16

  • その632

    20240425(木)19:39
    天井にあるし、私と輝の背丈では届かない。
    170センチあるとはいえ、私は女性なので、軍の所属の中でも背が低い。
    輝に至っては、私より低めかもしれない。
    目線の高さが大体同じくらいなのだ。
    おそらく、誤差程度の違いしかないだろう。

    アイランド16

  • その631

    20240424(水)08:31
    だったら、話が早い。
    通気口の構造にもよるが、道が繋がっているのならば、少しでも監視の目に気づかれずに脱出できる。

    格子状の蓋は、天井にある。
    取り外さない事には、何も始まらないから…。

    アイランド16

  • その630

    20240424(水)07:35
    「輝さん、あの…。」
    「通気口の事ですか?自分も気にしてはいたんですよ。
    脱出に望みをかけるのは、あそこしかないだろうと。」

    どうやら彼にも、取るべき手段は限られていると察していたようだ。

    アイランド16

  • その629

    20240423(火)08:36
    私はふと、天井を見上げていた。
    正方形の格子状の網を1つ、発見した。

    輝の自室には、窓が一切なかった。
    人間は肺呼吸が主であり、呼吸をするにはそれなりの澄んだ空気が必要だ。
    酸素がないと、生きられないから。

    アイランド16