虚構のアイランド


ほぼ毎日2本ずつ更新します。
下からお読みください。


後日まとめて掲載します。

無断転載はおやめください。

記事一覧

  • その678

    20240518(土)06:01
    ヨロヨロしていたが、私をゆっくり持ち上げた。
    輝は自分の脚を開いた。
    肩幅よりもほんの少し広げただけ。
    きっと、肩車のバランスを保つための苦肉の策であろう。

    アイランド17

  • その677

    20240517(金)06:20
    慎重にやろうとしている心構えが見受けられた。
    あとは彼の踏ん張りを信じた。

    フン!と野太い声を聞いた。
    私を肩車で持ち上げようとしていた輝の声だ。

    アイランド17

  • その676

    20240517(金)06:05
    「いきますよ?」
    「お願いします。」
    輝は持ち上げる為の合図を私に出した。
    一刻も早く行動に移りたいのもあってか、私は許可の応答をした。
    これは感触でしかわからないが、輝は両脚をしっかり掴んでいる。

    アイランド17

  • その675

    20240516(木)10:07
    足を乗せるまでは簡単だ。
    持ち上げる、となるとやはり厳しいのだろう。

    気がかりではあるが、輝が折れない以上は黙って見守るしかない。
    私は彼の頭を、軽く押さえた。

    アイランド17

  • その674

    20240516(木)09:56
    輝の首周りに私の太ももを被せる。
    輝は私の両脚をしっかりと持っていた。

    「重くないですか?」
    「これくらいでしたら、大丈夫です。」
    彼はそう言ったが、どこか苦しそうに見えるのは気のせいだろうか。

    アイランド17

  • その673

    20240515(水)06:02
    輝は譲ろうとしなかった。
    彼なりに申し訳ない気持ちでいっぱいなのだろう。
    謝らなければいけないのは、こちらの方なのに。

    引き下がりそうにないと悟った私は、輝の意思を汲む事にした。

    アイランド17

  • その672

    20240515(水)05:59
    その体型で私を支えきれるのかどうか、不安だった。
    だから私は、やんわりと否定した。

    「無理はなさらずに…目的は貴方なんですから。」
    「協力しあえる時は協力したいんです。数分程度なら自分でも耐えれますよ。」

    アイランド17

  • その671

    20240514(火)06:12
    [ノータブル]の隊員として認められている彼だが、身体の線は他の男性隊員と比べて華奢に見える。
    背丈も、私と同じ…いや、ほんの少し目線が低く感じるから小さいかもしれない。
    ネロの身長と、変わらないんじゃないかと思うぐらいだ。

    アイランド17

  • その670

    20240514(火)06:08
    「いいえ。その方法でしたら、自分が下になりますよ。
    ピッキング技術ならば貴女の方が上です。
    先に登ってください。」
    輝が肩車の支えになると言い出した。
    私は、両目を大きく開いた。

    アイランド17

  • その669

    20240513(月)13:35
    「脚立を、運んでくるしかないのでしょうか?」
    輝が困った顔をして言った。
    しかし私は、首を横に振った。
    「肩車でもするしかありません。私が支えますので、先にこじ開けて登ってください。」

    アイランド17