9・協議の日

勇希兄ちゃんと私が火力上げの操作をし、【サニー】の機体は更に燃えあがっていた。

『おいおい、燃えて自爆でも図るってか?だったら勝手にやってろ!
俺はラルクに回る…』
大将(仮)の周りにまた、威嚇射撃の弾が。
『俺はただの助っ人や。お前を仕留めるつもりは一切あらへん。』
武人兄ちゃんの発言は、大将(仮)の怒りを爆発させた。
『上等だ火星野郎!テメェは絶対俺様が落としてやる…うおっ!?』

大将(仮)が怒りの宣戦布告をしていたのが、いい狙い目だったかもしれない。
威嚇射撃の時点で動けない大将(仮)に、【サニー】は真正面から突撃した。
炎に包まっていた【サニー】は猛スピードで、大将(仮)のHR形態を真っ二つにした。
炎のおかげで切れ端が燃えて、ついでに心臓部分も見事に燃えていった。

大将(仮)は断末魔をあげる暇もなかった。
恐竜の様な両目がバッチリ開いていた、それだけだ。
大将(仮)のHRの機能が停止した。
大将(仮)の身体を突き抜けた先に、【サニー】は着地した。
着地後すぐに、【サニー】は膝をついた。
エネルギーの残量は、もう僅かな量だった。

はあはあと、勇希兄ちゃんは呼吸を繰り返した。
私も手袋の中で、汗を感じ取っていた。

【サニー】は、【パスティーユ】はしばらく動けない。
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