9・協議の日

『勇希!そのままで倒したいんやったら、一撃で仕留めるんや!』
『武人さん、エネルギーも底をつきます!これ以上、保つかどうかも…』
『和希、今は勇希と話しとる。どうや?』
武人兄ちゃんは【サニー】のままで行く為の手段を授けていた。
勇希兄ちゃんはすぐに返答をしなかった。
『俺は…』
返答の第一声がこれだった。

武人兄ちゃんはもう一押し、勇希兄ちゃんに意欲を湧かせた。
『約束、しとんのやろ?
空手の修行仲間と、思い出話をするんやろ?それを破るんか?』

すると勇希兄ちゃんは、すぐに顔をあげた。
『そうだ、燈太に俺は約束したんだ!』
【サニー】のエネルギー出力が最大になった。
覇気が感じられる程に、機体が燃えあがっていた。
『勇希!』
『和希兄ちゃん、未衣子。フルパワーで使わせてくれ。』
「え?」『無茶だ、そうなれば【パスティーユ】全体が…』
『もう決めた事だろ?俺達はこのまま戦っていくって。
終わりが見えてるかもしれねぇ。けど、ここを乗り越えなきゃ、燈太も兄貴も、未衣子も守れねぇ!
この一撃に賭けたい。だから、許してくれ…。』
『…わかった。お前が寂しくない様に、俺も行こう。』
「私もよ?兄ちゃんが大泣きするのはごめんだし。」
『お前、もうちょっと励ましてくれよ。』
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