9・協議の日

☆☆☆
『エネルギーがあと30%程だぞ!勇希!』
『予備はあるのかよ!』
『補充はするが…装甲も所々傷がいっている!』
『傷ぐらいなんともねぇよ!』
兄達が言い争うように話をしていた。

大将(仮)との戦闘中、【サニー】は拳を交える度に傷を受けていた。
正確に言えば傷ではない。
私も被害状況を逐一確認しているが、『溶けている跡』が多いのだ。
接触を数回行ううちにこの有様。
攻撃方法の変更を示唆する必要があるかも。
「勇希兄ちゃん、【フラワー】にチェンジして。距離を離して撃破していこう?」
『未衣子!【フラワー】だと余計にエネルギー使うだろ!?』
「このままじゃ…装甲のダメージで【パスティーユ】が沈むわよ?」
『くっ、クソッ!』
勇希兄ちゃんがコックピットの足元を蹴った。
モニター越しでも音が聞こえたし。

この時に私は思った。私達に運気が巡ってるんじゃないかなって。

大将(仮)の周辺に、銃弾が数カ所放たれた。
大将(仮)のHRに敵対するのは私達[ラストコア]か、王子達ニコンの人々だ。銃を駆使して挑む者といえば。
「武人兄ちゃん!」
【ブラッドガンナー】が飛行状態で大将(仮)に乱射していた。
威嚇射撃でしかなく、大将(仮)へのダメージは殆どない。
でも足止め自体は有効だった。
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