9・協議の日

あの『恐竜っぽい』ロボが大将なんだね。
立ち位置でわかっていたけど。
大将(仮)は右手に背丈ほどの大きさの斧を持った。
形成して構築するタイプ…。
普通のロボではできない機能だった。

「やっぱりHR!」
『フン、女のガキも混じってやがる。だがな、俺様は甘くはないからな!』
大将(仮)が【パスティーユ・フラワー】に突進してきた。
後ろは会議場。避けたら建物が破壊される。
会議場の崩壊だけは避けたい私は、【フラワー】のロッドとバリアで防御した。
至近距離まで近づいた大将(仮)。
やはりHRだと戦闘能力は段違いだった。地味に押してくるから。

相撲の試合みたいに苦戦する私に、勇希兄ちゃんが私を呼んだ。
『未衣子、俺に代われ!』「勇希兄ちゃん?」
『コイツは肉弾戦が強そうだ!格闘に慣れてる俺に代われ!』
『ほう。拳で戦うガキがいたとはな…試したいが、その姿で…うおっ!?』
大将(仮)が無意識に声を出してしまった。
【パスティーユ】の形態チェンジの時は、いつも機体を光らせて変形させるから。
HRの大将(仮)も、高熱を発する機体には手を出せないでしょう。
一戦交えた限りでは、近接戦タイプと判明しているから。

形態チェンジはすぐに終わる。【フラワー】から【サニー】へと変わった。
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