9・協議の日

だって、重たい物体が猛スピードで落下したら、当然そうなるでしょ。
実際は物体じゃなくて、背筋の伸ばした恐竜っぽい生き物だけど。
『恐竜っぽい』って言ったのは、生き物というより機械、すなわちロボのように見えたから。
目は発光しているし。身体中が鋼みたく硬い金属でできてるから。

もしかして、HRを呼んだ…?
ただの戦闘ロボとは違い、どんよりした空気が流れている気がしたからだ。
『気をつけろ君達!奴の手下もくるぞ!』
王子の側近兵が叫んだ。忠告通りなのか、『恐竜っぽい』ロボの後ろに数機のロボが着地した。

あれ…?
「ねえ、兄ちゃん達?」
『あ?』『どうした未衣子。』
「『恐竜っぽい』ロボの後に着地したロボ達って…量産機だらけ?」
今振り返れば、私は突拍子な質問をしたかもしれない。
王子みたく、実力あるロボのパイロットもいるのに…。
この質問は相手を舐めている様な発言にも聞こえた。

でも、誰も私を否定しなかった。
『いいじゃねぇか!HRだらけより好都合だぜ!』
『油断は禁物だが、今までの敵よりは…。』
『うるせぇぞガキ共!』
やっと怒ってくれる人がいた。声の主は敵の『恐竜っぽい』ロボだった。
『ラルクもテメェらも、散々俺達[トンケ団]を舐めやがって!
ただの賊じゃねぇのを証明してやる!』
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