9・協議の日

武人はリュートの席の前まで歩くと、テーブルの上から降りた。
グロスとの距離は、かなり近づいていた。
(黒川。)(首領陣をテーブルの下に押し込めて、扉を閉めるんや。リュートとサレンちゃんもな。)
武人は小声で宗太郎に指示を出した。

「皆さん、テーブルの下に身を潜めてください!」
宗太郎は強く避難する事を、首領陣に要請した。
怯え惑っているのか、首領陣は急いでテーブルの下に潜る。
「王子、サレンさんも!」「私は残ります!HRが来るのだろう!」
「いや、お前も今回は避難しとき。」「今度も子供達に任せるのか!?」

すると、武人は急に声を荒げた。
「ええか!お前の宿敵は誰や!?俺なんとちゃうんか!?
こんなチンピラ共に負けたら、お前は故郷の仇を取られへんやろ!
俺はずっとお前の敵討ちを待っとる!
それまでは命取っときや!」
リュートはこれ以上、言葉を返せなかった。
サレンが側について、避難の誘導をした。

反対に武人の発言で、暴走した者がいた。
グロスである。彼は会議室の窓を開き、大声で叫んだ。
「トンケ様!我々がチンピラと格下の言葉を使われております!
どうか、トンケ様の偉大なるお力で、罵倒する者を沈めてくださいませ!」

外は【パスティーユ】他、警戒にあたるロボのみだった。
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