「つまり、我々とて内部で協力し合える良好な環境下であれば、我々で知恵を出し合い、自力で宇宙進出に挑戦できた。
だが現実はうまく築き上げてはいない。
だからこうして、我々地球人は貴方方に協力を申し上げているのです。」
「それはちょっと、虫が良すぎる話でございません？」「！？」
誰かの指摘の声に、宗太郎はもちろん、リュートも反応した。
来訪した首領陣から…と彼らを見たが、誰１人口を開いていなかった。

１番遠く離れた席につく首領陣の１人が、指差した。
会議室の出入り口である、西洋風の豪華なドア。
開いた出入り口の真ん中に、トカゲ頭の小柄なオスがいた。
「貴様は…［トンケ団］の智将グロス！」
リュートが新たな来訪者の名前を言った。

グロスは両脇の手下を率いて会議室へ入った。
「警備は…どうなっている！？」
宗太郎はすぐに携帯を取り出した。その間、グロスは事実を告げた。
「彼らの星々は皆、我々の息がかかっているんですよ。」
グロスはリュートの藍色のショートヘアを見ていた。

この時、彼は微々たる危険を感じていた。
（…この髪の色。あの時の少年と同じ色をしていますね。まさか。）
「グロス様。」
手下に名前を呼ばれたグロスは我に返り、片眼鏡を調整する仕草をした。
「なんでもありませんよ。続けますね。」