9・協議の日

「今回の会議の主催はリュート王子でございます。始めに王子から皆様への議題を述べます。
皆様からのご意見やご要望をお願いいたします。
詳細はテーブルの上の小冊子にも記載されております。そちらからも参考して頂いても構いません。
議題の後に場を設けますので、まずはお聞きくださいませ。」
サレンは一歩後ろに下がった。

入れ替わるようにして、リュートが立ち上がった。
彼の議論が始まった。
「改めて、本日の御来訪に感謝いたします。手短ですが、皆様へのお願いを申し上げます。
…地球人の宇宙進出に、どうか御支援、御援助をいただきたい。」
その瞬間、会議室がざわついた。
サレンが静粛に、と言い放ってすぐに収まったが。

「事前交渉時に説明が行き届かず、誠に申し訳ございません。
ですが本日、私のお隣に[ラストコア]の西条宗太郎司令官もお越し頂きました。彼は地球人です。宇宙進出への熱意は本物です。」
「宇宙進出って…一体何をするのかね?」
首領陣の1人が口を挟んだ。
「応答の場を設けます、まずは王子の話を…。」
「概要はおおむね理解した。何の為に宇宙へ出るのかね?
膨大な自然溢れる星で、資源に困り果てているわけではなかろう。」
「仮に資源不足だとしても、我々派生の星々の民からすれば雲泥の差だろう。」
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