8・業火の日

☆☆☆
「和希兄ちゃん、マルロは追いかけてる?」
『今は順調だ。異常がなければ、このまま諸島の火山帯に誘導してくれ。』
「わかった!」

私は【パスティーユ・フラワー】でマルロを攻撃、していない。
私達には奇策があったからだ。
奇策を実行する為に、私はあえて『逃げていた』。
『エネルギーの消費には気をつけてくれ。放射攻撃で1割が減少だ。』
『数多すぎるんだよ、あいつら。』
「あとは王子達とAIで倒していくんだね?」
『俺達はマルロだけ専念すれば良いって事だ。どうやら彼も、単騎で挑むつもりらしい。』
「ほんとだ。」
私はモニターの地図を少し確認した。
1体だけ、群れから外れていった敵の赤い点があった。
『予備のエネルギーの補充操作は完了しておく。このまま諸島まで加速してくれ。』
『攻撃してこないか?』
「弾を打ってきた時はうまくかわすわ。バリアだけは作動させて。」
『了解だ。』
和希兄ちゃんからの反論はなかった。
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