8・業火の日

炎に包まれたせいで、【チタン・キュレン】は身動きが取れなかった。
【フラワー】は炎のかからないギリギリの所まで近づいた。
トドメを刺す手段が残ってるから。

「これは報いよ。私に友情という希望を失わせたんだから。
教育を謳うのなら、子供の支えを無くすのはダメな事じゃないの?」
『相当…根に持っているな貴様…!』
「まだ喋れるんだ。どう?純白の衣装が黒焦げになった気分は。
友情を切り裂く行動は犯罪と同上って、覚えておいてね。
まあ、もうすぐ雲の上に行くから意味ないか。」
『こんの…クソガキぃ!!』

ガシャンの音と同時に、私は引っ張られる感覚に気づいた。
『未衣子!』『ワイヤーでも備えていたか!』
兄達が狼狽えた。
私にも、マルロが出したワイヤーから炎が燃え移ると予測できた。
往生際が悪いわね、この人。自分も行くから巻き込もう、て?

『俺の命はいい!だが、お前達も一緒に来い!違う世界で調教してやる!』
彼は高らかに笑った。
ワイヤーに怯む必要はない。
右脚のみ絡まれたなら、切断すればいい。
コックピットは胴体の中。右脚が無くても問題なし。
だから光の弾が連なるリングで右脚を縛り、ワイヤーの束縛から退いた。

私はアレックスさんの言葉を僅かに信用していた。
『再構築』の機能を持った説明を。
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