8・業火の日

☆☆☆
『大丈夫か、お前達。』「王子、サレンさん。」
『雑魚は片付いたわ。あとはマルロ本人だけよ。』
サレンさんは自身ありげに言った。
マルロの仲間って、数が多かったと思うけどなぁ。

『[スイルシルバー]は私達の弓矢で大爆発したわ。汎用船程度じゃ、簡単に潰せるわ。』
ヒスロ戦だったかな。
あの時の【ホーンフレア5th】は凄かったな。
ジャンプを駆使した槍攻撃ももちろん。
【ホーンフレア5th】が駆けつけてくれて、私達は安心した。

『マルロ・ヒーストンは仕留めたか?』
『おそらく、もう一度這い上がるとは想定してます。』
和希兄ちゃんが答えた。
『不安だが…お前達の作戦にどうこう言わん。思い切ってやれ。』
『アイツを逃したら地球の終わりだと、覚悟したらいいんだな。』
『その通りだ。支援が必要なら行動するが、どうする?』
「そうですね…ん?」

私は仮想空間が解除された北極を見た。
マルロをぶつけた衝撃で割れた氷があった。
氷は粉々になり、海中への入口ができた。
氷の割れ目は時に、海中からの出口にもなる。
実際、【チタン・キュレン】がザバーンと波が広がるように、勢いよく這い上がってきたからだ。
『ククク、よくも俺をかき回してくれたな。その両目を二度と開けられないようにしてやるよ、クソガキ共。』
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