8・業火の日

なんて行動を、取るように見せかけたんだ。
瞬時にロッドを右手で持って、くるくる回してからマルロに投げつけたから。
『何っ!?痛い!』ゴン、と音がした。
もちろん、これで彼は倒れない。経験無くてもわかる範囲。

ここからが正念場だ。彼に、新たな隙をつくらせておいた。
真下はマグマの海と化した北極。
私は【フラワー】で突撃し、【チタン・キュレン】にしがみつき、高火力で真下へ移動した。
『くっ、離れろ!』マルロの行動もおかしかった。
彼ならバリアでも発動して、私の抱きつきを阻止できたのに。

炎にトラウマ抱えてるのか?彼も底がついたのか…?
彼の身体の状態は、私にははっきりとわからないけど。
どうでもいい。敵の心配なんて必要なし。
ただ、マルロを下に押しつけて沈ませるだけ。
高火力移動により、【フラワー】は勢いよく【チタン・キュレン】を沈ませた。
この作戦は成功。【フラワー】はマルロから離れた。
まだ、終わりじゃない。次の作戦があるから。
灼熱のマグマの海と化した北極だけど、知ってる通り実は仮想空間を実体化した創作物。
マグマの海面下は…ご存知の通り冷たい氷水だった。

体感温度で彼は目を覚ますだろう。体力を回復でもするかもしれない。
大丈夫。隙はまだつくれる。
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