8・業火の日

★★★
マルロはHR形態【チタン・キュレン】にチェンジしていた。
火炎爆発が頻繁に起きている今の地球へ、降りてきた。
元々[ラストコア]本部を仕留める目的で地球の近くで滞在していた。おかげで地球降下に時間を要さなかった。

目の前で、自分の仲間の散り様を確認した。
これまでの戦闘でも、仲間が散る姿を何度も目視していた。
今更焦りも後悔もないはずだが。

『何だ…?強化でも施したのか?』
マルロは得体の知れない不安を感じ取った。
HRは機械生命体と似ている為、倒すと爆発を引き起こしやすい。
大爆発を起こせば、装甲に傷がつきそうだが。
【パスティーユ・フラワー】に傷跡がなかった。
前回の戦闘から経った期間は短かったのに、地球産のロボが強力になったとマルロは感じた。

『問題は消費だ。耐久性に優れても、エネルギーが枯渇すればいつかはやられるだろう。』

マルロはたかを括っていた。こちらに分があると思ったからだ。
適当に相手してやろう。
【パスティーユ・フラワー】との距離は近い。

【チタン・キュレン】はロッドを上に掲げ、立方体の弾を1つ繰り出した。弾は【フラワー】へ向かわせた。
『まずは小手調べだ。すぐ避けるだろう。』

マルロはフッ、と笑っていた。
次の弾を用意する、時だった。
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