8・業火の日

大きな塊の様に見える光は、実は小さな光の弾の集まりだった。
ロッドを倒したり振り回したりするだけで、光の弾の一部が離れていく。それは、花びらが散っていくような光景。

ロッドを横向きにし、光の弾の集まりをマルロに向けて、放った。
大部分は桜吹雪みたいに勢いよく飛んだ。
ごく少数の光の弾は、【フラワー】に降りかかった。
耐熱性の優れた【フラワー】なら、演出用みたいにフラフラ飛ぶ光の弾なんて、何も怖くない。

単調なビーム砲ではない攻撃。
数の暴力で、敵は押し潰されるだろう。
射程範囲も広いから逃げられない。
マルロはぎこちなくなるだろう。
これも避けられないだけだけどね。
[宇宙犯罪者]級のHRに、並大抵の必殺技は通用しない。
だから、何か追加技を入れないと、思ったダメージは与えられないだろう。

桜吹雪みたいな光の群れに動けないマルロに、私は突撃を試みた。
魔法みたいな技と違う、物理攻撃での不意打ちを。
桜吹雪の光はすぐに消えていった。
【チタン・キュレン】の姿も丸見えになった。
【フラワー】との距離は至近距離。
ロッドを両手で持ったまま、底の宝石部分を【チタン・キュレン】の正面に突きつけていた。
底が細いんだから、彼の心臓部分に突き刺せるだろう、との考えで実行した。
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