8・業火の日

そうしないとフェアじゃないでしょ?と付け加えておいた。
『どこまでも、愚かなガキ共だ。』
「ここからは勝った人しか出られない。そういうルールでいこうよ。」『ほう…。』

HR形態の状態だと、はっきりとした表情はわからない。
いまだにニヤついている事は、声だけでもわかる。
彼の自信過剰さを、今ここでへし折るんだ。
「私はこのまま戦う。こっちがいいんでしょ?」
『短期間しか、しかも顔を見合わせてないくせに、わかった風にいいやがる。』
「もう決着ついたらバイバイだからね。じゃあ、お喋りはおしまい。」

【フラワー】のロッドは既に光の弾を出していた。
ロッドをバトンの様に振り回しただけで、光の弾達は勝手に動いてくれた。

方向は【チタン・キュレン】。マルロへ一直線。
進行速度は素早いはずだ。
軽くあしらわれたけど。猛スピードで北極に向かった男なんだ。
【フラワー】の普通の攻撃で負傷するわけがないのは、把握ずみ。
『弾遊びの続きをやるつもりか?効果がないのはわかっただろう。』
「悪いけど、今はただのお遊びだからね。」

【フラワー】はロッドを上に掲げた。
先端のくす玉の真上から、淡いピンクの光を放つ。
豆球のような小さな光は、時間を経て大きくなっていく。
弾が大きくなり、両手で支えた。
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