7・告白の日

★★★
「それからHRによる星々の襲撃が始まった。」
大型宇宙船【スイルシルバー】内の自室で、マルロは書物を読んでいた。

紙の端に穴を開けて紐を通すタイプの、簡素なつくりの書物。
だが1冊1冊、綺麗に棚にしまっていた。

読書時間の最中、設置されたモニターに誰かが映った。
火星圏タレス[レッド研究所]のクーラン・レッドだった。
『聞いたぜマルロ?核爆発を怖がったって?』
マルロは動揺せずに、レッドの質問に返した。
「あそこには俺の仲間がいた。[ラストコア]が兵器を保有しているのは想像がつくがな…。」
『なぜあの価値の薄い青い星にしがみつく?』
「あそこには自然がある。特に『海』だ。俺はあそこを第二の故郷にしたいんだ。」
『お前さんの星は、衰退気味だからなぁ。』
「核爆発で『海』が濁るのは真っ平ごめんだ。定着地のあるお前には理解不可能だろうが。」
『おいおい。それは言い過ぎだぜ?俺なりにサバイバル術を考えてるさ。』
と述べたクーランだが、不安そうな表情はしていなかった。
見慣れてるとして、マルロは特段腹を立てなかった。

「次は仕留める。土産の男は期待するな。」
『お前さんも似てるよな、ラルクに。余計な労力を使わずに始末する所はな。
ま、ラルクがいなけりゃ、お前と取引に応じるさ。』
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