7・告白の日

とんだ熱意を感じた研究者は、【ロボ】の生殖機能の開発を検討するようになった。

開発はかなりの難航だった。
生物の解剖から、【ロボ】への組み込み作業まで、多数のリテイクがなされた。
【ロボ】には明確な性の判別はない。
これも開発の難航の理由に繋がった。性の取り決めは難しい。
だから研究者達は【ロボ】に対し、性の取り決めをやめた。
代わりに両方の性の機能を組み込んだのだった…。

最終的に、【ロボ】による生殖活動の自律までには至らなかった。
それでも、【ロボ】からの生成や、成長機能を備える事だけでも、大成功と言わざるをえなかった。【ロボ】は喜んだ。
研究者、いや生物達は大きな問題を見落としていた。

喜怒哀楽の感情等、生物達のありふれた行動を学習した【ロボ】達の結末を。

日常生活では家族の関係が常に良好とは限らない。
意思疎通のズレで衝突する事もある。

生物と【ロボ】の関係性も例外ではない。喧嘩も頻繁に起きた。
やがて【ロボ】の反抗期はますます拗らせていった。
その状態は喧嘩別れで済ますレベルではなく、生物達の人生を終了させるレベルであった。

【ロボ】の反抗期は暴走へと変わった。家族以外の他の生物達へも襲撃した。
襲撃に改めて目にした、怯える『メス』の生物達の存在。
2/29ページ
スキ