7・告白の日

★★★
私は武人兄ちゃんの休んでる部屋を出た。
ドアの両脇に、見知った顔があった。
「ずっと待ってたぞ、未衣子。」
声も知っている。勇希兄ちゃんだった。
「迎えに来たんだ。遅かったからな。」
こちらは和希兄ちゃんだった。

「私、帰らないよ。ここにいるから。」
2人の兄は、お互いの顔を見合わせた。私を見て、へへと笑った。
「ま、お前は頑固だしな。」「残りそうだと思ったよ。」
どうやら、私の決意を認めたみたい。意外にあっさりだなぁ。
でもこれで気にしなくていい。
「じゃ、私そろそろ戻るから。」「待てよ。」
勇希兄ちゃんが言った。待てって事は、許してくれないのだろうか。
やっぱり、危ないから…。

でも、私の想像とは違っていたんだ。
「俺も行くよ。やっぱ心配だからな。」
「【パスティーユ】は3人乗りだろ。1人でも欠けたら威力は発揮できないだろうしね。」
部屋を出た時は、あれほど怒っていたのに。
私は、嬉しかった。今まで祖母の味方していた筈の2人の兄が、今度は私についてきてくれたんだ。

「ありがとう、和希兄ちゃん、勇希兄ちゃん。」「別に気にしてねぇよ。」
「駄々をこねていたけどね。『妹を助けんのが兄貴の役目だろ!』とね。」「兄貴!それは黙っててくれよ!」
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