7・告白の日

☆☆☆
「それから俺は蘇ったんや。彼女から貰った力は生命力だけでなかった。
クーラン達を退くまで抵抗した。奴を倒されへんかったのが悔いや。」
武人兄ちゃんの昔話。私は静かに聞いていた。
「後に宗太郎にスカウトされて、[ラストコア]の特別隊員となったんや。あとは既知の通りや。」
黙っていたけど、ここまで私の『夢』は酷似していたのかな。
全部、知っていたからだ。
武人兄ちゃんの生い立ちも、変わったきっかけもみんな。

やっぱり私は、武人兄ちゃんから離れる事なんて、できない。
『夢』を引きずったまま、一生を後悔するかもしれない。
私は意志を伝えようとした。
武人兄ちゃんがようやく、私を見てくれた。
わざわざ寝相の向きを変えてまで。

「こんな情けない俺や。それでもついてこられるか?
命の保証は無いかもしれへん。でもクーランは、倒さんといかんねん。俺はさっきみたいに助けられへんかもしれへん。
それでも、共に行くんやな?」
私の右手を、武人兄ちゃんの両手が掴んでいた。
ここまで、兄ちゃんはお願いしてくれている。

もう既に決意は固めているんだ。ありのまま伝えよう。

「私は1人でも兄ちゃんについていくよ。私は今がとっても楽しいんだ。自分勝手だけど。私はここに来て良かったって思ってる。」
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