6・暴露の日

★★★
「マルロ・ヒーストン!」
マルロは自分を呼んだ人物を探した。
金髪の、高貴な男がズンズン歩いてきた。
「貴様が出るとはどう言うつもりだ!」
マルロは正直うるさいと感じていたが、この人物が誰なのかは知っていた。
「金星圏メイスのビウス・エクステラ…聞いたのか?」
「私が直に問いただした!何故私ではなく貴様が…!」
「…。」
「貴様は偵察だけをコソコソやれば良い!前線は我々が出る!」
身勝手な言い分だな、とマルロは思った。
が、返事は冷静に返した。
「…言っておくが、貴様はあの男に何かをもたらしたのか?」
「もてなし?それは結果だろう!」
「ではお前は何を持っている?雄叫びのガキは偶然だが、ヒスロは並外れた肉体。ニシアは変幻自在の魔術師。俺は情報網に長けた指揮を兼ね備えている。
土星圏のトンケも部下達の手腕がいい方だ。
だがお前はなんだ?ただ突っ込むだけの能無しだろう。」
「先手必勝には自信はある!」
マルロは自分に向けて手を仰いだ。
ビウスの考えを否定する意味だ。
「それは対策を練った上での考えだ。威力の高い敵が潜んでいるとか、そう言う情報がない限りは戦力温存の為に、最低限の戦略で攻めるべきだ。」
マルロはビウスに背を向けた。
「地球産のロボのパイロットも特定した。」
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