6・暴露の日

☆☆☆
マルロ・ヒーストンのHR形態【チタン・キュレン】は、真下に落ちゆく【パスティーユ・フラワー】を黙って見ていた。
『よろしいのですか?アレにトドメを刺さなくても…。』
『あれだけ心を痛めつければ改心するさ。[ラストコア]とラルクさえ消えれば地球攻略は容易い。』
マルロ側の小型輸送機の操縦士は、マルロの答えに反論しなかった。

ところが、報告はした。
『隊長!緊急事態です![ラストコア]本部の座標より超巨大兵器が…。』
『地球産だ、大した事なかろう。』
『それが…核を搭載した兵器で、地上を一瞬で消し飛ぶ効果が。』
『気でも狂ったか!?』
マルロが凶変してからの、[ラストコア]の総司令官・西条宗太郎の行動は素早かった。
彼は愛嬌市及び周辺の地域まで、警告の放送を流し始めた。

『天王星圏スイル、マルロ・ヒーストンに告ぐ。
我ら[ラストコア]は捨て身の作戦に出る。
日本一帯を焦土化する爆弾を起動させる。
一般市民は全て避難行動に移した。
地上には私と同志のみ残っている。
問題はお前達だ。
愛嬌湾上空に無数の仲間が存在している。
消し飛んで困るのはお前達ではないか?
覚悟を決めたなら、私は爆弾を起動させよう。
スイッチ1つで全てが決まるようになっておる。』
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