6・暴露の日

『女…そうか。君が1番親しくしてくれたんだってね。
周りに友達がいないから。
どうだ?僅かな期間のじゃれ合いは楽しかっただろう?』

敵のロボの攻撃は止まらない。
ロッドを振るだけで定位置に固定したままなのに。
何度も繰り出されると、1発は攻撃を受けてしまった。
「ああっ!」『未衣子!』
『君に友達がいないのは、《夢》のせいらしいな。
同じ男が出る《夢》に周りが引き、挙句には乱暴に扱ってもいいレッテルを貼られた。良かったな。《夢》の男に出会えて。
とんだ極悪人だったがな!』
攻撃の威力が増してきた。

何もかも見抜かれて、言い返せない。
防がないといけないのに、気力がない。
ダメージは受けるばかり。
『未衣子!俺に変われ!』
『安心しろ。目的は達成した。
お前達が俺に挑んでいる間に、本部に侵攻させた。
命を取る気はない。おとなしく勉学に励むんだな。少年少女よ!』
また攻撃をくらった。私は反動で頭を強く打った。
ヘルメットで衝撃は軽かった。けど何故か、左目に赤い雫が見える…。
きっと、前面ガラスが割れたんだ。破片が私の頭に刺さったのな…?

『未衣子!しっかりしろ!』『くっ、落ちるぞ!』
兄達が必死に心配してくれた。でも意識が遠のく…。
【パスティーユ】は装甲優れてる筈なのに。
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