6・暴露の日

そうだ、雲だ!雲を消してみるしかない!
【フラワー】はロッドを上にあげて、薄桃の光の球を出した。
前に振ると、光の球は分身して、【フラワー】を囲むように陣形をとった。
「行け!」
【フラワー】が3回転すると、光の球は八方に散っていった。
雲に命中するのは容易い事だった。
雲は弾けて消えたけど、電流は止まらない。
武人兄ちゃんは未だ、電流に苦しんでいる。

他に方法は…。
考えようとした時、藍色の槍が雲に刺さった。
槍に電気が走り、避雷針代わりになった。

【ブラッドガンナー】が電流の縛りから解放された。
力が抜けているのか、兄ちゃんが下に落ちる!
私達が武人兄ちゃんを支えにいく…事はなかった。
槍を投げた張本人、【ホーンフレア5th】が急いでキャッチした。
『まっすぐに飛び込んで…貴様らしくない!何を考えている!』
王子の叱責だった。
『…責任取る…言うたからな…散々酷い目…合わせとる…』
兄ちゃんは途切れ途切れに言った。
【ブラッドガンナー】は黒いロボだけど、黒い煙と多数の傷跡でボロボロなのは一目瞭然だった。
武人兄ちゃんが、危ない!私達は危険を感じていた。

危険性を上乗せするかの如く、敵の白いロボがお喋りを始めた。
『お前達。そいつを庇う必要はないぞ。秘密を知れば尚更、やる気を削ぐさ。』
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