6・暴露の日

これを切断すれば、縛りの罠からは解放される。
勇希兄ちゃんの空手の型みたいに引きちぎろうか?
コックピット内がチカチカする中、私はすぐにロボを動かすレバーを握った。

『ふん。敵の指示に素直に従うとは、心が濁ってない証拠か。』
敵のロボの声だった。
『こんな甘い奴だとな。』
この人、私達を馬鹿にしてるの?
ずっと舐められてばかりは嫌だ。
私は左右のレバーをしっかり握った。
「和希兄ちゃん、勇希兄ちゃん!踏ん張るよ!手伝って!」
兄達にもレバー引いてもらうよう頼んだ。
でもレバーが、固かった。電撃が強すぎたんだ。
ひょっとしたら、壊れるかも。

『未衣子!』
男の人の声がした。兄達から発した声ではなかった。
【パスティーユ】に突進するように、猛スピードで迫るロボがいた。
あの黒いロボは見間違えるはずがない。
【ブラッドガンナー】。
武人兄ちゃんが駆けつけてきた!

兄ちゃんが退かすために、私達に体当たりをしてきた。
体当たりで衝撃が走った。
だけど、白い光が消え、【フラワー】へのチェンジに成功した。
その引き換えに…【ブラッドガンナー】が電流を浴びてしまった。
『ぐあああああ!』「兄ちゃん!」
武人兄ちゃんは悲鳴をあげた。
彼は人間みたいな姿以外、ロボから変身できない構造である。
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