6・暴露の日

形態チェンジには、2段階の操作がある。
コックピット右側の3色のボタンと手前に引くレバー。
最初のオート操作の時は、この部分が動いているのを2、3回程見た。
熱融解によってロボを変形させるので、分離して合体する必要はあまりない。ジェット機に戻ったりする時ぐらい。
スイッチとレバーは3機全て、オンにしないといけない。
モニター上でオンにしているかわかるので、深刻には考えていない。
3機全てオンの状態になった。
【パスティーユ・スカイ】の全身が光る。
形がわからない程白く発光して、数秒で【フラワー】に変わる。
この操作は当然慣れていた。

慣れていた、のに。
以前の水中戦と、同じ轍を踏む羽目になるなんて、想像できなかった。
チェンジなんて数秒で終わるから、攻撃するタイミングなんて一瞬でしかない。
どうして、どうして稲妻が【パスティーユ】を縛ってくるの!?

「きゃあああ!」『罠だったか!』『そうだろ!』
私は悲鳴をあげた。今度もまた、機械がショートするのだろう。
今や日本海上空。雲と同じ高さの位置で飛んでいる。

雲?
私は意識を変えて、モニターをチラッと見た。
すぐに後ろにもたれていた姿勢を戻した。
自然の雲から、白い稲妻が【パスティーユ】に流れていたからだ。
23/29ページ
スキ